「原神」は、基本プレーを無料とするオープンワールド型のアクションRPGで、2020年9月に世界同時リリースを行った。モバイルアプリのマーケット情報を提供する「センサータワー」(カリフォルニア州)によれば、現在のダウンロード数は1000万回を超えているという。
日本でも昨年から、山手線などの車内広告や渋谷や秋葉原などでの看板広告など、ふんだんに予算を投入して大々的な宣伝が行われてきた。日本でも何かと目立つ「原神」だが、その魅力は一体どこにあるのだろうか。
事務職として都内の企業に勤務している藤本萌乃さん(仮名、26歳)は、「原神」の影響をもろに受けた。“ゲーマー”というほどのめり込んでいるわけではなく、むしろ「ゲームは数回遊ぶとすぐ飽きてしまう性格だった」という彼女が「私は原神ファン」だと告白するのは、次のような理由からだった。
「このゲームがすごいのは、ディテールへのこだわりです。グラフィックやストーリー性もかなり高水準ですが、ゲーム内サウンドトラックを一流のオーケストラに演奏させているこだわりはスゴいと思いました。中国をテーマにした『璃月』という国のBGMでは古筝や琵琶など中国の古代の楽器が使用されていたり、日本をテーマにした『稲妻』では和太鼓や尺八などが使用されていたりします。
最初は、『中国のゲームなんて、どうせ金の力だけ』と思っていましたが、金の力に見合うセンスが伴ってきていることに衝撃を受けました」
■PCやスマホ、プレステでクロスプレイできる良さ
藤本さんはこれ以外にも「クロスプレイできる点」を評価している。「PC、スマホのみならず、プレイステーションからもクロスプレイできるようになっていて、幅広いユーザーと遊べるのが原神のすごいところ」だという。
藤本さんによる原神の評価ポイントは、他のユーザーが「グラフィックとかストーリーがもう神」「語ることが多すぎるので、まずは遊んでみてほしい」などと、インターネット上に書き込んでいたコメントと重なる。その一方で「メインプラットフォームはPCなのでスマホ版の評価は高くはできない」など、スマホでゲームをするには「やや重い」といった指摘も目立った。
中国からの留学生で都内に住む呉暁さん(仮名、21歳)は、中国のゲーム市場動向を研究課題にし、熱心にこれを追っている。呉さんの発言からは、中国では必ずしも「原神」が人気のゲームではないことが伺える。