(c)Le Sommet des Dieux - 2021/Julianne Films/Folivari/Melusine Productions/France 3 Cinema/Aura Cinema

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★★

「なぜそんな危険を冒してまで登るのか」という問いに「理由などない。登りきっても歩き続けるだけ」と答える登山家の心の奥底まで照らすような山々の厳しい輝き。アニメならではの純粋な美がドラマに深みを与えている。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★★

山や天候のスケール感や臨場感から凝縮された脚本や心理描写、時代考証まで、丹念に作り込まれている。日本の風景や生活も違和感がない。主人公たちの人生が交わり、異なる意味で解放されていく姿に心を揺さぶられる。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★

過酷な山を一緒に登った気になったほど、身体の節々に程良い筋肉痛を感じ、奇麗な星空に感動し吹雪に寒さも体感した。そうか、アニメだよねと自分に驚く。そこまで引き込まれました。この暑い夏にちょうど良い作品だ。

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★★

日本で実写映画として一度映像化されているが、今回のアニメ化のほうが成功。理由はクライミングの過酷さのディテールまでが伝わる描写力と登場人物の心理描写が精緻な点だろう。原作マンガを生かした画風なのも良い。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年7月22日号

[AERA最新号はこちら]