「バットキック」は一日30回を目安に。その場で左右の足を交互に踵がお尻につくまで跳ね上げる。心臓の位置が上下することによって心拍数が上昇するので、有酸素運動により近い効果が得られるという(撮影/写真部・松永卓也)
「バットキック」は一日30回を目安に。その場で左右の足を交互に踵がお尻につくまで跳ね上げる。心臓の位置が上下することによって心拍数が上昇するので、有酸素運動により近い効果が得られるという(撮影/写真部・松永卓也)

 今回のような自粛状況は初めての経験だが、在宅でも工夫を加え、非日常下でのサイクルを作り上げた。常日頃「少しトレーニングしただけで腹筋なんて割れない!」と警鐘を鳴らし、ハードなトレーニングを淡々と繰り返すAYAさんの姿は「継続のたまもの」と教えてくれる。綿密に立てたスケジュールを実行に移し、継続させ、自分のサイクルを確立することが日々の達成感や精神の安定を生むのだろう。

 トレーニングを始めるのに道具を揃える必要はない。わずかなスペースさえあれば運動はどこでも成立するというのがAYAさんの持論だ。外出自粛が続くなか、自宅でできる「おすすめのストレッチ」を聞いた。重要なのは“自分の体重を負荷にして動く”ことだという。

「私が普段『必ず出来るように』と言っているのは、(1)腹筋(2)スクワット(3)腕立て伏せの3つだけです。『トレーニングの3本柱』と呼ばれているこの3つができないと、私のクラスではそもそも重りを持たせません!腕立て伏せなんか、自分の体を押し上げるだけの動きなのにできない人がとても多い。そもそも『自分の体重すら押し上げられない』人は重りを持つ資格はないんです(笑)。自重すらコントロール出来ない段階で重りを持ったらけがをしてしまいます。」

目線は前方のまま肘を曲げ、上体を床と平行になるまで落とす。腹筋、スクワット、腕立て伏せは一日12回を目安に(撮影/写真部・松永卓也)
目線は前方のまま肘を曲げ、上体を床と平行になるまで落とす。腹筋、スクワット、腕立て伏せは一日12回を目安に(撮影/写真部・松永卓也)

 なかでも「スクワット」はトレーニングの土台となる重要な動き。「しゃがんで立ち上がる」という、生活で最も多用する動作は年齢を重ねた時に差が出る。ぜひとも強化しておきたいところだ。

目線は真っ直ぐ前方に、背筋が曲がらないようキープしたままお尻を膝より下まで下げる(撮影/写真部・松永卓也)
目線は真っ直ぐ前方に、背筋が曲がらないようキープしたままお尻を膝より下まで下げる(撮影/写真部・松永卓也)

「特に今の時期は自分の身体と向き合うチャンスです。『自分の体重で自分の筋肉を強く』していけるように、まずは基本の3つをおうちで始めてみてください」

◆プロフィール
AYA(アヤ)/クロスフィットトレーナー兼フィットネスモデル。トレーナーとして、数々の女優・モデルの指導をするかたわら、モデルとしても活動。日々のトレーニングメニューや食生活を公開しているInstagramのフォロワーは45万人にも登り(2020年4月現在)、鍛え上げられた肉体や彼女のライフスタイルを目標とする女性から支持を集める。著書に『AYAトレの教科書』『しっかり食べてキレイに痩せるAYA’sミールレップ』。Instagram:@aya_fitness

(文・原田加菜)