肌寒い日が多くなってきたこの頃ですが、つい先日まで熱気に満ちあふれた姿を見せてくれたのがラグビー日本代表です。自国開催での大会ということもあり、これまでラグビーに詳しくなかった人でも、ラグビーというスポーツのおもしろさに触れることができた貴重な大会となり、とても盛り上がりましたね。
そんな中、試合以外で注目されたことがあります。それはラグビーファンのビール消費量です。試合会場や開催場所周辺の居酒屋などでは、ビールだけは切らさないよう注意をしていたと、メディアでも報道されていましたが、いったいなぜラグビーファンはビール好きが多いのか……、気になっていた人も多いのではないでしょうか?

ラグビーにビールは欠かせないもの
ラグビーにビールは欠かせないもの

驚きのビール消費量!

ラグビーファンはビールが好きといわれますが、その“好き”の度合いは、いったいどれだけのものなのでしょうか? 同じくヨーロッパで人気のサッカーと比較してみましょう。
実は、ラグビーはサッカーの試合の6倍の量のビールが消費されるといわれています。驚くべき数字ですね!
しかも、今回日本開催となった大会組織委員会もビールの消費量をあらかじめ予想しており、その予想量は、通常の4〜5倍のビール消費量となるだろうとの見解を出していたほど。それほど、ラグビー=ビールという強固(!)な関係があるのです。

ラグビーファンはとにかくビール好き
ラグビーファンはとにかくビール好き

ラグビーとビールの関係

もともとビール人気が高いヨーロッパですが、昔からヨーロッパでは試合開始前から応援するチームの勝利を祈ってビールを飲む風習があり、さらに試合中はもちろん、試合後もビールを飲みながらラグビーの話をするスタイルが定着しているといいます。
なかには何もつまみを食べずに、ひたすらビールだけを飲む「つわもの」も多いそう。それだけに大会周辺の居酒屋、コンビニでは「ビールを切らすな!」が合言葉にもなっていた……というエピソードが伝えられています
何より、両チームの健闘を称え合う「ノーサイド」の精神と、ビールは切っても切り離せない関係にあるようなのですが、でも、なぜビール?と思いますよね。
サッカーにラグビーほどビール文化がないのは、ラグビーがもつ文化的背景に関係しているともいわれます。というのもラグビーは、敵味方なく、選手もスタッフもレフリーも観客も、すべての人が一緒になって、ビールを酌み交わしながら交流を深める点が大きな特長です。とくに、ラグビー選手は強靭な肉体の人が多い点から、ガブガブ、ゴクゴク、豪快に飲めるビールが最もぴったりなのかもしれません。
さらに、ラグビーファンのビール好きを後押ししたのがスポンサーの存在です。1995年の南アフリカ大会からビールメーカーがオフィシャルパートナーとしてラグビーを支えていて、ビールメーカーにとっても、ラグビー界にとっても、とても友好かつ強固な関係を築き上げているのです。

試合後もたっぷりと語ります
試合後もたっぷりと語ります

もっともビール好きは、どこの国?

ラグビー界全体としてビール文化が根づいているものの、その中でもひときわビールを飲んでいるファンが多いのはどこの国でしょうか?
一説には、スタウト(黒ビール)発祥の地・アイルランドがトップではないかといわれています。国民のビール消費量は日本の約2.4倍もあるのだとか……。
さらに、ラグビーはもともと上流階級のスポーツであることから「紳士のスポーツ」ともいわれます。今大会を機会にラグビーがイングランド発祥のスポーツであることを知った人も多いと思いますが、イングランドやアイルランドといえば、ギネスビールやスタウト(黒ビール)が有名です。だからこそ、ラグビーとビールの関係は強いといえるのでしょうね。
──まだまだ続くラグビーの熱気。せっかくなら黒ビールを片手に、世界最高峰のチームが豪快にぶつかりあう試合を鑑賞すれば、ラグビー観戦熱もさらにヒートアップするかもしれません(笑)!

スタウト(黒ビール)発祥の地・アイルランド
スタウト(黒ビール)発祥の地・アイルランド