過ごしやすい気温が続く新緑の季節がやってきました。新社会人となった若い人たちも、少しずつ会社の雰囲気に慣れてきたころではないでしょうか?
職場や学校に新しいメンバーを迎える時季ですが、諸先輩からすれば、ときに若者言葉の進化についていけないと感じている場合もあるのでは……?
時代によって移りゆく若者言葉ですが、現代のネット社会の波の中でこれまで以上に多くの言葉が生み出されているかもしれません。そこで今回は、最近の若者言葉をチェックしてみましょう。
若者言葉の定番、必要以上に略された言葉
およそ20年前の女子高校生の間で流行った言葉に「チョベリグ」=超ベリーグッドなんてものがありました。今では完全に死語となっていますが、どの時代でも「略す」という技法は若者の間で広まりやすいのかもしれません。例えば、現代ではこんな言葉があります。
●「ワンチャン」
もちろん犬のことではありません……。「ワンチャン」=ワンチャンス、という意味です。つまり「可能性はある」といった意味で使われます。「ワンチャン、テスト受かるかも」といった感じで、可能性として高くはないけれど、なくはない……といった意味合いになります。
●「り」「りょ」
さすがに略しすぎではないかという言葉の代表格がこちら。「り」または「りょ」=了解、という意味です。SNSの隆盛により定番化した言葉と思われます。
A:ご飯食べに行こうよ
B:り
メールなどでは、こんなやり取りが成立します。
普通の意味から昇華していく言葉たち
もともとベースとして存在していた言葉から昇華して、上級な、強いインパクトをもつ意味合いになっていった言葉もあります。
●「尊い」
なんだ普通の言葉じゃないかと思われるでしょうが、若者が使うと少し意味合いが変わってくるのです。普通は「身分や品位が高い」「価値が高い」といった意味になります。もちろん、そのような内容もはらんではいますが、もっとフランクに使われています。例えば、「(芸能人の)〇〇ちゃん、マジで尊い」といった具合。この使用例では「素敵」といった意味の最上級の意味合いがあるようです。
●「どちゃくそ」
意味としては「とても」に近いといえます。「くそ」は「くそおもしろい」というようなスラングで使われていましたが、そこに「どちゃ」という謎の音を入れることで「とても」をより強くした意味として使われています。
字面の見た目から派生した言葉
こちらもやはりネット社会ならではですが、その字面の見た目の人気によって若者の間で多く使われている言葉があります。
●「草」「草生える」
昭和世代の人 = 昔でいう(笑)に近い役割を果たします。もともとは「www」という「わら」の頭文字から派生したものですが、その見た目がまるで草が生えているように見えることからできた言葉です。例えば、「この動画、草生える」=「この動画、おもしろすぎ」といった使い方をします。
●「卍」
使い方としては「マジ卍」というふうに「マジ」とセットで使われることが多いです。「マジ」という言葉との語呂のよさと記号としてのかっこよさから、「卍」が若者の間で人気に。「卍」自体には深い意味はなさそうです。
──いつの時代にも生まれては消えていく若者言葉。
変な日本語と感じながらも、若者とのコミュニケーションとして少しだけ使ってみるとおもしろいかもしれませんよ。令和の時代はどんな若者言葉が生まれるか楽しみですね。