1960年代後半からのフォーク全盛時代、東京ではミュージシャンたちが出会い、刺激しあい、名曲が生まれた。後世に語り継がれるようなライブが多く開かれた。いまその「聖地」を歩く読者が、当時の空気感を追体験できるようにガイド本に構成した。

 吉田拓郎が上京して初めて一人暮らしをした高円寺、岡林信康が「はっぴいえんど」に出会った御苑スタジオ、小田和正が「赤い鳥」に衝撃を受けた新宿厚生年金会館など、街と音楽が結びつく。森田童子の東京カテドラル聖マリア大聖堂コンサートなど紹介されるのが珍しい話も。後のサブカルチャーを生んだTBSアナ林美雄の深夜ラジオ「パックインミュージック」に、イラストレーターで無名時代の島田荘司が招かれ、彼のアルバムを流していた──など、発掘エピソードも。

週刊朝日  2018年5月25日号