レオス・キャピタルワークスの仲岡由麗江さん。SBI証券で投資信託のサービス拡充やiDeCo関連業務に関わり、2021年8月より現職。セミナーも得意。資産運用の普及に務める(撮影/写真映像部・高野楓菜)
レオス・キャピタルワークスの仲岡由麗江さん。SBI証券で投資信託のサービス拡充やiDeCo関連業務に関わり、2021年8月より現職。セミナーも得意。資産運用の普及に務める(撮影/写真映像部・高野楓菜)
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 iDeCoは運用をしている間なら自由に金融商品の変更や切り替えが非課税でできる。この点はNISA以上に優秀だ。「AERA Money 2022秋冬号」から「配分変更」と「スイッチング」についてスッキリ解説。

【図解】スイッチング5パターンはこちら!

 iDeCoの運用期間中に出くわす難しい用語に「配分変更」と「スイッチング」がある。資産運用アドバイスのプロ、レオス・キャピタルワークスの仲岡由麗江さんに解説してもらおう。

*  *  *

「まず、配分変更とは『これから拠出する金融商品の種類や比率を変える』ことです。

 Aという投資信託(以下、投信)をつみたてていて、これからBという投信にしたいとき。これまで定期預金だったが、これからは投信Aと投信Bをつみたてたいとき。

 投信Aを1万5000円と投信Bを8000円でつみたてていたが、これからは投信Aを1万円と投信Bを1万3000円にしたいとき。配分変更の指示を出せば変えられます」

 なるほど、「今後の拠出の内容を変える」のが配分変更ということか。

「一方、スイッチングはこれまで保有していた金融商品を別の商品に切り替えることです。

 iDeCoで保有している投信Aをすべて売却して、そのお金で新しく投信Bを買う。これまでつみたててきたiDeCoの定期預金を解約したお金で、新しい投信を買う。

 株式投信Cと債券投信Dを持っているが、債券投信Dだけ売却し、そのお金で新しい投信Eを買う。

 投信Fと投信Gをつみたてていたが、投信Fの一部を売ったお金で投信Gを追加で買う。いずれもスイッチング=切り替えになります」

リバランスにも使える

 株式と債券に50%ずつの配分でつみたてていたら、株式市場が好調だったため、数年後に株式の残高が150万円、債券の残高が100万円になったとする。このとき、資産配分を当初の50%ずつに戻すことを「リバランス」と呼ぶ。

 リバランスを行うために、利益が出た株式投信150万円のうち25万円を売却。新たに債券投信を25万円購入すると、株式も債券も残高125万円、割合は50%ずつに戻る。このリバランスのためにスイッチングを行うのも、いい使い方だ。

 配分変更はiDeCo 口座内でつみたて予定日の3営業日前までに金額を変更するだけで完了。一方、スイッチングは資産を売却(いったん現金化)したあと、新しい金融商品の購入手続きに移るため、運営管理機関により1~2週間かかる。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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何回スイッチングをしても非課税!