
石原さんが注目するのは、洗練されたセンスに加え、機能性も考えたデザインであることだ。まず、パンプスは安定感のある太目のヒールを選びつつも、つま先の切り替え部分には飾り穴の装飾が入った華やかなデザイン。ヒールのかかともスーツと同じ茶色で合わせる隙のなさ。
白のバッグに手袋、繊細なチュールレースの帽子。スーツの袖と裾も加わった白色の効かせ方は、さすがのセンス。
「オープンカフス(袖)とスカートの裾に、適度にスリットを入れることで動きやすさを確保。デザインと機能性をそなえた仕立てです」
秀逸だと感じたのは、ノーカラージャケットの襟だという。カットを深く、そして第一ボタンの位置を下にさげている。真珠のネックレスは襟と重ならずきれいに見える上に、着脱もしやすい。まさに、マダムの品格を備えた装い。
グレーがかったライラック色のスーツがお似合いなのが、寛仁親王妃の信子さま。
共布であつらえた帽子は、チュールレースをふんわりと重ねた優美なたたずまい。
「耳元には、ネックレスよりもやや粒の大きい真珠をお選びです。きちんとした場には、ふさわしい格のジュエリーをというご配慮が伺えます。口紅はパープルがかった色味をお使いで、シックにまとめておられます」(石原さん)
華やか且つ達人級のお洒落といえば、高円宮妃の久子さまだ。ホテルの車寄せには、予定時刻より15分ほど早く到着。公務のスケジュールもびっしりで、皇室一忙しい皇族とも呼ばれる久子さま。この日も、何か用事がおありだったのか、にこやかなほほ笑みを浮かべながら足早にホテルに。報道陣からは、「見逃した」という嘆きも漏れた。
