
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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「森永製菓 小枝ミルク」「サンヨー カップスターしょうゆ味」「不二家 ミルキー」……。ある年齢より上の方は、懐かしい気持ちになるのではないでしょうか。
ローソンでは創業50周年を記念して、全国の店舗でこれら懐かしい商品の約50年前のデザインを再現した「復刻版パッケージ商品」を販売しています。
対象商品は他に、「東洋水産 ホットワンタンしょうゆ味」「東ハト ポテコうましお味」「カルビー ポテトチップスうすしお味」「ブルボン ルマンド」「明治 きのこの山」などなど、商品名の字面を聞いただけでデザインが浮かぶ方も多いと思います。各メーカー様も私たちと一緒にアイデアを出しつつ、快くご協力をいただきました。
もう一つ。実はローソンという社名とミルク缶のロゴマークは、1930年代に米国オハイオ州でJ・J・ローソンさんという方が開いた牛乳店「ローソンさんの牛乳屋さん」が由来。そこで今回は、ローソン初のオリジナル商品として1975年に発売を開始した成分無調整牛乳も復刻デザインで販売しています。

50年前の昭和。日本は「これから成長していくぞ」という時代でした。まだ社会はアナログで、でもだからこそ、デザイナーの方がまだ手で実際に絵を描くなど、人の温かみが感じられるデザインだったなと思います。
私にとっても「ミルキー」は小学生のときによく食べていましたし、「小枝」は青春時代の思い出でしょうか。パッケージを見るとその時代の甘酸っぱい感じがよみがえってくるような気もします。
私の年代だけではありません。最近、松田聖子さんの「青い珊瑚礁」のKポップアイドルによるカバーが人気を集めたように、人の心を打つ不思議な魅力があるのがこの時代の表現。若い方にもぜひ、復刻デザインの商品を手に取ってほしいなと思います。
※AERA 2025年8月25日号
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