あだち・しん/1972年、鳥取県倉吉市出身。脚本家、作家、映画監督。代表作に連続テレビ小説「ブギウギ」、「それでも俺は、妻としたい」(撮影:写真映像部・山本二葉)
あだち・しん/1972年、鳥取県倉吉市出身。脚本家、作家、映画監督。代表作に連続テレビ小説「ブギウギ」、「それでも俺は、妻としたい」(撮影:写真映像部・山本二葉)

 子どもの頃から外国の映画の方が好きでよく観ていて、映画の中ではいつも夫婦が一緒に寝ていて、子どもは子ども部屋で寝ている。川の字になって寝る日本の文化もありだけど、やはり妻と夫の時間、繋がりというのはちゃんと確保したい。子どもは子どもで妻と同じぐらい大切な存在だけれど。夫婦が一対一で向き合うって大切だと思う。

晃子:そこにはセックスが関係してくるよね。そこが揉めるところ。

紳:もう何年も揉めてるよね。

晃子:今朝も討論してましたが、かみ合わない。私は仕事や子どものことでキャパオーバーな上に、足立に対して日々の不満もあり、なかなかセックスをする気に至らず。そういうことを言うと「じゃ、結婚を続ける意味ないじゃん。離婚しようよ」と言う。だから、「おう望むところだ、離婚だ!」ってなる。

セックス求めすぎるな

紳:毎朝ハグをしたいって言っただけ。ぎゅっと。

晃子:ちゃ・ん・と・し・たハグって言わなかった?(笑)

紳:うん。ぎゅっと、お互いが腕を回しあってやる。要は10秒のスキンシップがあるだけで気持ちが全然違う。

晃子:朝はただでさえ忙しいのに、「ハグして」って付きまとわれても、「今じゃねーだろ」って思う。そう言うと「汗くせーな」とか「この肉なんとかしろよ」って嫌み返しをするから余計腹立つ。セックスしたくなくなる。

──今後、どういう夫婦でありたいですか。

紳:それ、是非聞きたい。それ目指してオレ頑張るから。

晃子:私は、こんなに喧嘩ばかりしていますが、足立がいることによって自分も強くなれた気がするし、ずっと一緒に人生を歩いていきたい最強で最高のパートナーだと思っています。紳との会話はホント面白いです。これからも大好きなお酒飲んでご飯食べていっぱい喋って、いっぱい笑ってそのまま生きていきたい。あとは「セックス求めすぎるな」。これは言いたい。

紳:僕はもうちょっとスキンシップがある方がいいな。

晃子:最後までかみ合わない(笑)。

紳:妻と一緒にいろんな国を回り、たくさんの景色を一緒に見たい。たくさん遊びたい。

晃子:アンタは死ぬまで映画を撮り続けたいのよね。老いぼれても撮るんでしょ?

紳:うん、撮る。撮ります。

晃子:撮れますよ、きっと。自称映画監督名乗って自主映画撮るなら、きっとずっと撮っていられると思う(笑)。

紳:ありがとうございます!

(構成/AERA編集部・大崎百紀)

2025年5月30日~全国公開『劇場版 それでも俺は、妻としたい』 原作:足立紳『それでも俺は、妻としたい』(新潮文庫刊) 脚本・監督:足立紳 (c)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会
2025年5月30日~全国公開『劇場版 それでも俺は、妻としたい』 原作:足立紳『それでも俺は、妻としたい』(新潮文庫刊) 脚本・監督:足立紳 (c)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会

AERA 2025年8月11日-8月18日合併号より抜粋

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