「難破船」1988年1月6日

言わずもがなの名曲「難破船」は、「夜ヒット」では何回も歌い上げているが、スージーさんが選ぶのは、88年1月6日の放送。
「井上陽水と玉置浩二を引っさげて『飾りじゃないのよ涙は』を歌った放送から年が明けて88年の年明け一発目。これは一番有名な『難破船』で、明菜といえばコレ!」と、言い切る。88年1月6日の放送には、『難破船』の作詞・作曲をした加藤登紀子と、近藤真彦が出演していた。
「加藤から『難破船』という曲を『中森明菜に歌ってもらいたい』と言ったという逸話があります。明菜が22歳の誕生日に『おめでとう』と周囲から言われたときに『22なんて大っ嫌いです』と言ったのを知った加藤は、『難破船』という曲の主人公に明菜を選んだ。そんな『難破船』の生みの親、加藤が後ろにいて、当時の恋人と言われるマッチがいる」
放送で流れるのは87年09月30日分だが、スージーさんが選んだ88年1月6日の「難破船」は“憑依度ナンバー1”という。
「ボーカルのコンディションは正直100点満点ではないのですが、そのときの衣装は和服で、途中から涙を流す。その涙が視聴者に“明菜に何があったのか?”と思わせる、非常に有名なパフォーマンスです。彼女にとって特別な存在がいたからかもしれませんね。当時は、ひとつの空間に人気絶頂の歌手たちが集まる歌番組は『夜ヒット』だけじゃなく、『ザ・ベストテン』(TBS系)など、たくさんあった。そうした場だからこそ、生まれるドラマがある。明菜の魅力はボーカリストとしてだけではなく、アクターというか、歌の世界にずっぽりとハマる“憑依”にもある。そういう歌手が最近いない中で、明菜自身が歌から醸し出す世界観が素晴らしい。特に『難破船』は憑依の点において代表曲。その中でも、この放送は憑依度ナンバー1じゃないですかね」
「S・O・S」1988年11月23日
今回は放送されないが、番外編としてスージーさんが選んだのは、ピンクレディーの「S・O・S」を完璧な振りつけで歌う明菜と小泉今日子(キョンキョン)!