また、金利上昇は調達金利の上昇も意味します。ROI(投資利益率)の減少につながり、価格下落要素にもなります。
高騰している資産はいずれ調整局面がやってきます。香港や上海などの不動産は既に大幅に価格下落。そして、2024年まで上昇基調が続いていた米国株もトランプ関税の影響を受け、S&P500はコロナショック以来の下げ幅を記録しました。
タワマンだけが上昇を続けるとは思えません。やはり、日本のタワマンはちょっと上がりすぎ、ではないかと思います。
大人気だったハワイの高級コンドミニアム市場
富裕層が撤退の動きも
それを証明するのが、ハワイの高級コンドミニアムです。
日本の富裕層に昔から大人気であるハワイ・ワイキキ周辺のリッツカールトン、旧トランプホテルなどは、面積が50~70平方メートル台で、購入価格が日本円で1.1億~1.3億円程度です。管理費が月額10万~18万円とかなり高く、実質利回りは1~2%台が多い印象です(バケーションレンタルの場合)。
他方、現在の東京都心の人気マンションの利回りは2%前後です(例えば、今投資家の間で話題の三田ガーデンヒルズは、表面利回り2%、実質利回りは1%台と推測されています)。
つまり、現時点でハワイの高級コンドミニアムと都心のタワマン(マンション含む)を比較すると、利回りは同じか、むしろ都心タワマンの方が低く、将来的な価格の伸びも小さいと予測できるのです。
超一等地やブランド物件は「転売しやすい」「値崩れしにくい」といわれますが、既に日本人富裕層もハワイの物件を手放そうとしている人も多く、ハワイも買い手市場に移行しつつあります。
それを考えると「都心のタワマンだけは価格が下がらない」という都心タワマン信仰には、どうしても違和感を覚えてしまいます。投資目的でタワマンを購入する人の中には、「物件価格そのものが上がるので、利回り2%でも問題ない」と言う人がいますが、本当にそうでしょうか。
ポスト「都内タワマン」
注目される次の投資先は?
では、タワマンから手を引いた富裕層たちの次の投資先はどこになるのでしょうか。