
──タレント、アイドル、ビジネスパーソン……。求められる役割はその場によって異なる。だが、自身は「どこに行ってもニュートラル」と笑う。
さまざまな肩書を持つ
もちろん、真面目な会議ではピタッと黙ることもありますけれど、基本的にはこのままです。聞かれたことに対しても、僕は知っていることしか話しませんし。色々な活動をしていても「うまく切り替えなければ」という意識はなく、「気づくと自然と切り替えられるようになっていた」という表現が正確なところかもしれません。
たとえば、朝一で後輩グループのコンサートのリハーサルに立ち会い、昼は個人のラジオの仕事、夜は舞台のリハーサル、となったときに、目の前のことを引っ張っていたら、続かないんですよね。現場に入ったら、前後のことは考えず、その場所だけに集中する必要がある。いまはそれがよりナチュラルにできるようになったのかな。言い換えれば、「乗り換えをしなくて良くなった」というか。
たとえば、エンタメの仕事をしているときはスポーツカーに乗り、農業に携わっているときは電車に乗り、NPOの時は自転車、プライベートの時は徒歩で移動してください、と言われたら、交通ルールも何もかもが変わるから面倒な部分もありますよね。でも、どんな交通手段であっても持っている免許で自分なりに安全運転ができるようになり、乗り物を変えていくことも苦じゃなくなったというか。
さまざまな肩書を持つことがナチュラルに、むちゃくちゃシームレスにできるようになったんじゃないかな、という気がしています。
(構成/ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2025年5月19日号より抜粋
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