――スミス氏の近著『ウィーブが日本を救う』(日経BP刊)で一番言いたかったことは何ですか?

 スミス まずウィーブ(Weeb)は、〈日本人になりたい人、日本愛好者〉を意味するスラングとして使われはじめ、今はマンガとかゲームとか音楽とか、コスチュームとか、日本のポップカルチャーが大好きな人のことです。また日本大好きの人のことを誰でもウィーブと呼ぶ人たちもいますが、ウィーブには単なる日本好きやアニメファンの層をはるかに超えた広がりを持っています。
 私が本の中で強調していることのひとつは、世界中の多くの人が、日本が好きであるということです。外からの視点を持つウィーブたちは、日本の都市がいかに機能的であるか、文化がいかに創造的であるかなど、日本人には見えにくい日本の良いところをたくさん見ることができます。世界中の多くの人々が、日本には明るい未来を築くための底力があると信じています。世界が日本を信じているのだから、あなた方日本人も日本を信じるべきであるということを言いたかったのです。

(聞き手・大野和基)

〇ノア・スミス
 急成長中の米国のコンテンツ配信プラットフォームSubstackで人気のエコノミスト。2016年、ニューヨ ーク州立大学ストーニーブルック校助教(行動ファイナンス)を辞めてブルームバーグに入社。21年、ブルームバーグ退社後、執筆活動に入る。

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