
国内外の賓客を接遇し、良好な関係性を築くのも皇室の役割のひとつ。皇族方の「おもてなし」の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2025年2月15日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまは2月14日、秋篠宮家の次女の佳子さまと、千葉県にある宮内庁の新浜鴨場でヨルダンやスイスなどの駐日大使を招いた「外交団鴨場接待」に初めて参加された。皇族自身がホスト役を務める「鴨場接待」は気遣いや体力が必要で、難易度が高い接遇に「ペア公務」で注目を集めるおふたりが臨んだ。
皇族方が皇室に受け継がれてきた伝統的な鴨猟を披露し、国内外の賓客をもてなす「鴨場接待」。そのクライマックスは、捕獲した鴨の放鳥だろう。
招かれた各国の大使夫妻らが見守るなか、鷹匠から鴨を両手で受け取った愛子さまと佳子さまは顔を見合わせて微笑むと、池のほとりに歩み寄った。しゃがんだおふたりが、そっと手をゆるめると、2羽の鴨は勢いよく羽ばたき、飛んで行った。
その様子にホッとした表情の愛子さまと佳子さまは、拍手をしながら顔を見合わせ、ゲストの外交官らも若いプリンセスたちに笑顔を向けていた。
この日、初めての「鴨場接待」に臨んだ愛子さま。経験のある佳子さまとともに、国際親善の役割を勤め上げた。

毎年11月15日から翌年2月15日までの狩猟期間に、各国の外交官や国会議員らを招いて催される「鴨場接待」。宮中に長く勤めた人物は、こう話す。
「皇室の鴨場接待は、スポーツのような爽快感もあるためか、外交団の方々にとても人気のある接遇です」