東大の安田講堂
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 東京大や京都大など、主な国立大学の前期日程の合格者が発表された。高校へのアンケートなどをもとにした、合格者数ランキングをみると、東大では日比谷や横浜翠嵐など首都圏の公立校の躍進がめだった(合格実績のある学校へのAERAとサンデー毎日、大学通信の合同調査をもとにした10日午後6時現在の速報値。一部非公表・未回答の学校があり、数値は今後変動する可能性がある)。

【図表】注目の東大ランキングの上位はこちら

 東大と京大の合格者が3月10日に発表され、東大は2997人、京大は2707人に歓喜の桜が咲いた。

 東大の1位は開成(東京)で149人が合格。1982年から44年連続でトップだ。2位は聖光学院(神奈川)で95人。

 上位校で注目は、公立校トップの合格者を出した日比谷(東京)。前年の60人から大幅に合格者を増やした。公立校では横浜翠嵐(神奈川)も大躍進。前年の44人から30人増の74人が合格した。

駿台予備学校で長く入試分析をしていた大学入試アナリストの石原賢一さんはこう話す。

「日比谷、横浜翠嵐と、首都圏の公立校の躍進が目立ちました。今年は共通テストが易しくなり、東大に挑戦する心理的ハードルが低くなったのでは。(私立を含めた)新勢力として注目は洗足学園(神奈川)。28人すべて現役での合格と躍進を続けています」 東大一般入試の合格者における女性の割合は昨年の19.4%から0.6ポイント増え20%と、再び2割台に乗せた。東大の藤垣裕子副学長は10日のオンライン会見で次のように述べた。

「数字が上昇したことは喜ばしいが、一喜一憂せず女性を増やす取り組みを続けていきたい。今年は学校推薦型選抜、一般選抜、外国学校卒業学生特別選考第一種、第二種すべてにおいて女子の合格者の比率が上がったが、学生の多様性確保のためには、地方出身者などそのほかの属性の増加も重要。入試の多様化を議論し続けていく」

 石原さんはこう指摘する。

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