──今でも、ですか。
今もです。僕たちの仕事に関して、以前、「自分に飽きるときがくる。自分に飽きるな」と先輩に言われました。
──自分に飽きそうになったこと、ありますか?
あります、あります。たとえば何十年もカレーを売り続けているお店と一緒ですよね。いいスパイスを探したり、福神漬けやラッキョウを変えてみたり、違う場所でも売ってもらえるようにしたりと、工夫をする。カレーであることに変わりはないけれど、そうやっていろいろ探っていくわけです。それが僕の場合、人に信頼されるとか、できることを増やすとか、今までと違う作品に出てみるとかになる。
──ご自分をそんなふうに分析しているとは、意外です。
そうですか? 普通だと思いますよ。もちろん、長く続けていることへの誇りもあります。
──最後に、現在のプライベートの楽しみは?
ときどき母が6歳の甥っ子と一緒に東京に遊びに来るんですが、そのとき、おいしいごはんに連れていくこと。この間、フレンチを食べに行きましたが、母も甥っ子もすごく喜んでくれました。
(構成/本誌・野村美絵)
※週刊朝日 2018年10月5日号
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