成宮寛貴(撮影/写真映像部・和仁貢介)

女性の身も心も洗脳していく役

 成宮が主演する復帰作「死ぬほど愛して」(ABEMA・全8話)は今春配信予定。成宮が演じる神城真人は、容姿端麗なエリートサラリーマンで愛妻家という表の顔と、凶悪殺人鬼の裏の顔を持つ役どころだ。

――役作りのために準備したことは?

「海外にいたときにもトレーニングをしていたので体力は落ちていないのですが、逆に体が大きくなりすぎて絞るのが大変でした。日本に帰ってきてからは、ご飯がおいしいのとコンビニ食が楽しくて(笑)。毎日コンビニのご飯やおやつを食べていたら、10キロぐらい増えていました。でも、その分は復帰を決める前から有酸素運動と食事制限をして落としました。

 (芸能界から離れていた)8年間でいろいろな事があり、今台本を開いたらどんな芝居できるだろう、と自分に対して興味がありました。樹林さんがくださる役はいつも魅力的なヒールで、毎回、印象に残るキャラクターばかりです。今回もすてきなやりがいのある役をいただき、感謝しています。

 真人はいろんな女性の身も心も洗脳していく役で、真人の話す言葉は1つで2つの意味があったり、全く裏腹の事を考えたり、表と裏の相反する顔を持って生きている。樹林さんと監督からは『殺人鬼だが、サディスティックな見え方にはしたくない』とリクエストされました。人を傷つけながら自分も傷つく。本当の愛に触れて、初めて他人から注がれる愛に気づいた……そんなキャラクターです。ピカレスク・ラブサスペンスですが、アクションもあります」

 約8年前の電撃引退から海外で生活し、プロダクトプロデュースを続けている成宮。そして再び芸能界に戻ってきた彼はその環境の変化に驚いたという。

「今はSNSやYouTubeで誰もが発信できる時代になり、誰でも自分で有名になれる。セルフプロデュースの時代だと思います。とにかく1年が過ぎるスピードが速く、情報量も多い。視聴者も自分で選んで好きなものを自由に見ている。大きな変化を感じました」

成宮寛貴(撮影/写真映像部・和仁貢介)

 そして最後に、今後のビジョンについてこう話す。

「成宮寛貴、俳優として第2章が始まります。42歳の自分が感じている事のひとつひとつをお芝居で表現できたらと思います。そして自分にしかできない、唯一無二の俳優になれるように今後も邁進していきたいです。これからの自分に期待していただけたらうれしいです。自分も自分自身に期待しています(笑)」

(笠井千晶)

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