タレントの中居正広さん(52)と女性とのトラブルに端を発した一連の問題で、フジテレビは1月17日午後3時から記者会見を開いた。疑惑の解明は進んだのか。
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専門家が指摘「逃げ」の姿勢
記者会見の冒頭、フジテレビの港浩一社長(72)は、こう言った。
「調査委員会の調査にゆだねることとなり、社長の私自身も調査を受ける立場になるため、説明には限りがございます」
企業のリスク管理を専門とする髙祖(こうそ)智明さんの目には、「完全に逃げの会見」と映った。髙祖さんは福岡ドームの広報宣伝部長などを歴任し、現在は危機管理情報を発信する「リスクデザイン」コンサルタントの主要メンバーを務める。
フジテレビは、今回の記者会見を新聞社などが加盟する記者クラブの要請に基づいて開催したと説明。予定されていた定例会見の前倒しという形式を取った。記者クラブに所属していない週刊誌やネットメディア、フリーのジャーナリストは入れなかった。
「彼らから質問されるのは避けたかったのでしょう」
早い時期に開けたはず
昨年末から問題が報じられ、1月9日に中居正広さんが謝罪を発表した。
フジテレビはこの日に会見を開くことを、「入念に準備をしたうえで決定したのでは」と髙祖さんは推測する。
「特に新しい情報もなく、もっと早い時期に会見が開けたはずです」
高祖さんが注視するのは会見の日時だ。
30年前の1月17日、阪神淡路大震災が発生した。節目の年としてニュースで多く取り上げられることが予想され、フジテレビの会見は目立ちにくい。金曜日は夜の報道番組の放送時間が遅く、見る人が少ない。
会見が金曜日の午後3時にスタートしたことにも「意味があるように思える」という。
「クローズドな会見なので、株式市場が閉じるまで会見内容が外部に漏れない。株価に与える影響は最小限に抑えられる」
話を聞くべきだった
「港社長は相手女性の心身を最優先してきたと会見で繰り返しましたが、23年6月初旬に社長がトラブルを知った時点で『ハラスメント』として対応すべきでした。職場におけるハラスメント防止のために必要な措置を講じることは、事業主(社長)の義務と法律で定められていますが、その認識はなかったのでしょうか」
仮にその女性が同社の局員だったのであれば、他の局員の関与も含め、まずは話を聞き調査を指示すべき聞くべきだったのではと、髙祖さんは考える。
中居さんへの聞き取りを含む会社の正式な調査について、港社長はこう述べた。