
今回のランキングでは、金融系企業の人気が大きく復活した。
今年は日経平均株価が過去最高値を更新し、日本銀行もマイナス金利政策を解除。メガバンク3行は23年度に純利益の合計が過去最高となり、24年度も金利上昇などを追い風にさらに増益を見込んでいる。このため、前回はランキングトップ100に三菱UFJ銀行(84位)のみがランクインしていたメガバンク3行は、今回、三菱UFJ銀行が58位、三井住友銀行が77位(前回132位)、みずほフィナンシャルグループが100位(前回144位)と3行とも100位内に入った。また証券業界も野村證券が87位(前回169位)、大和証券グループが92位(前回427位)、SMBC日興証券が106位(前回195位)と順位を大きく上げている。
景気が全体的に回復基調にあることを受け、製造業系の人気も復権してきた。製造業系企業の多くは原材料費の高騰に苦しんできたが、製品やサービスへの価格転嫁が進んだことで業績が改善し、全体的に増益となったことが人気の後押しとなっている。
今回総合2位に入った味の素(前回10位)は、前回に引き続き理系1位となり、文系でも順位を11上げて8位にランクイン。男性ランキング3位(前回23位)、女性1位(前回8位)と文理、男女を問わずジャンルを問わず人気が上がっている。味の素は23年度決算で売上高、事業利益が過去最高を更新。藤江太郎社長が中期経営計画の策定を廃止し、より長期を見すえたロードマップを策定する方針に切り替えるなど、発信力のある経営者として会社を引っ張っている。食品系ではこのほかサントリーグループが 16位(前回36位)、ロッテが21位(前回40位)と順位が上昇。電機・機械系もパナソニックグループが76位(前回120位)、三菱重工業が78位(前回159位)、富士通が85位(前回188位)、日立製作所が114位(前回214位)と順位を上げ、デンソー、富士フイルム、村田製作所なども201位以下から200位以内にランクインした。自動車・自動車部品メーカーは前回200位以内にトヨタ自動車とHondaの2社だけだったが、今年は4社がランクイン。23年度決算で自動車メーカーは円安や車の値上げが寄与し特に好調で、人気上昇にもつながった。
このほか注目したいのが41位のアクセンチュア(前回 82位)、63位の野村総合研究所(前回87位)といったコンサルティング系の人気上昇。一部学生のあいだでは「とりコン」(とりあえずコンサルティング)という言葉もあるほど、コンサル業界の志望者は増加傾向にある。転職が一般化し、はやく幅広いビジネススキルを身につけられる印象があるコンサル業界の人気が上がっているようだ。