■まちゃーさん(31歳)「会社勤めのかたわら40万円前後の月収も」


ピクスタ歴:2010年から
ピクスタからの月収:40万円前後
得意なテーマ:都市の風景写真
主な使用機材:[ボディー]ソニーα77[レンズ]16~50ミリ、50ミリ

 話していると、チリンチリンと携帯からメールの着信音がする。

「写真が売れた連絡です」

 文字どおり、カネが落ちてくる音だった。

「それでも始めて半年ぐらいは一枚も売れませんでしたよ。審査でも落とされまくっていました。会社員なので遊び半分で続けていくうちに、だんだんコツがわかってきました」

 得意ジャンルは都市の街並みや風景写真だ。モデル撮影のように元手もかからず、趣味のドライブと両立もできる。主に不動産広告などに使われている。

「気に入った撮影スポットはしつこく通って、一度に300枚から500枚撮ります。レタッチも1枚ずつ丁寧にします」

 富士山の撮影でも同じ位置でタテヨコから構図を変えてバリエーションを増やす。

「ピクスタをやってよかったのは、副収入ができて心の余裕が生まれたこと。勤め人のつらさが解消されています」

*  *  *

 続いては、利用する側の理論を聞いてみた。企業がストックフォトで買う写真には、どんなものがあるのだろうか?

 株式会社ジャルパックは主にツアーの宣伝パンフレットにストックフォトサービスの写真を利用している。

「パンフ作成にかなり費用がかかるので、ストックフォトさんはコストの面でいい」

 と、同社販売部販売グループ広報宣伝担当アシスタントマネージャーの長尾哲さん。マーケティング部企画制作グループ統括マネージャーの工藤朋子さんも、こう話す。

「政府観光局が無料の写真を配信しているのですが、実は権利関係が怪しいときがあります。ストックフォトさんはその点も安心して使えます」

 よく使う写真のタイプは、

「明るくきれいで、見慣れている風景です。芸術的な凝った写真はあまり使わない。コピーをいれるための余白がある写真もいい」(工藤さん)

 逆に使いにくいのが、意外にも料理の写真だとか。

「同じ料理でも実際にツアーで提供される内容と違うと困るのです。写真のトマトが4個なのに実際は3個だと、それでクレームになる可能性がありますから」(同)

 逆に欲しい写真は、

「雑踏とか人の動きがあるもの。顔が写っていると肖像権の関係で難しいのですが」

 アサカメ読者もチャレンジしてはいかがだろうか。(取材・文/フリーライター・神田憲行)

※『アサヒカメラ 6月号』より