「誰でもよかった」「ほめられるのがうれしかった」
――堀さんは誹謗中傷を行った加害者を情報開示請求で特定し、刑事告訴、損害賠償請求訴訟を行っています
私みたいに誹謗中傷の被害に遭っている人を1人でも多く減らしたいんです。これはれっきとした犯罪です。以前、民事訴訟をして損害賠償請求した相手の20代の男性が「誰でもよかった。過激なことを書けば書くほど周りのアンチからよくやったとほめられるのがうれしかった」と供述していたということに驚きました。誹謗中傷をするのは一種の依存症ですし、社会全体で取り組まなければならない、大きな問題だと思います。
――辛かったときに支えになった存在を教えてください
家族もそうですし、ファンの方たちですね。ネット上の心ない言葉を信じないで、私を励まし続けてくださいました。ファンの方たちも辛かったと思うんです。でも誹謗中傷をした人に処罰が科せられることによって、不快な思いをしないですみます。堂々と胸を張って応援してもらえるようになりたいですね。
――がんの早期発見を呼びかける啓発活動と共に、アーティストとして輝き続ける堀さんを楽しみにしているファンがたくさんいると思います
発声のリハビリを続けることで音域が広がり、歌える曲のレパートリーが増えてきました。芸能活動45周年でライブをやりたいという目標がありますし、全国のいろいろな場所で歌ってファンの方に感謝の言葉を直接伝えたいです。辛い思いをしましたが、ファンの方たちの言葉によって支えられました。感謝の思いをまだまだ伝えきれていないですし、私の命を救ってくれた皆さんに恩返しができるように精いっぱい頑張ります。
(聞き手・平尾類)