30代に入って消えた「ひがみ」
一方、女優業に対する姿勢については「Yahoo!ニュース」(3月24日配信)で、バンドに例えて主役がボーカル、リードギターなら、私たちはリズム隊だと思っていると明かしている。作品の土台を作りながら世界観を崩さないように意識し、いかに役に色付けしていくかという作業を大切にしているという。
「毎回違う役がきて、その中でいかに監督の意図に合ったものを作り込めるかが目指すところと、過去にインタビューで答えていたこともあります。そういう意味で、いつも『透明な女優』でありたいと思っているそう。15年というキャリアがあれば何か色が付いていてもおかしくないのですが、そうした姿勢でコツコツと要求に応えてきたからこそ、どんな役柄でも演じ切れるのでしょう」(同)
30代になってからの心境の変化もあるようだ。
「以前は『何であの子が出てるのに、私が出られないの』みたいな“ひがみ”があったけれど、30代になると気にならなくなったとインタビューで話しています。また、出演候補だったのに、結局選ばれなかった時も『やっぱりあの役はあの方だったんだな』と思えるようになったとも語っています。ひがみはマイナスの感情を生み出し、自身も悶々としてしまいがちです。それがなくなったということは、いい意味で開き直れて、そんな心の持ち方も怪演につながっているのかもしれません。といっても松本の場合、正統派美人で上品さもあり振る舞いもきれい。『やんごとなき一族』では美人なのに振り切っているという面が注目されましたが、いずれ確かな演技力で話題になっていくと思います」(週刊誌の芸能担当記者)
TVウオッチャーの中村裕一氏は、松本若菜の魅力についてこう語る。
「話題になった『やんごとなき一族』では、視聴者から嫌われてもいい覚悟と振り切った大胆な演技が、逆に大きな支持を受けました。一般的に“遅咲き”と言われる人はたまたま世に出るタイミングが合わず下積みが長かっただけで、実力的には申し分ない人ばかり。最近で言うと『コンフィデンスマンJP』や『SUITS/スーツ』で一躍脚光を浴びた小手伸也も、いつのまにか“遅咲き”というレッテルが消え、その後、大活躍しています。彼女も一人の立派な女優として、これからさまざまな作品に欠かせない存在になっていくと思います」
今後、どんな演技を見せてくれるのか期待は膨らむばかりだ。(丸山ひろし)