21歳の誕生日を迎えた愛子さま(宮内庁提供)
21歳の誕生日を迎えた愛子さま(宮内庁提供)
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 さまざまな宮中行事や祭祀を、世代を超えて受け継いできた皇室。伝統を守り続けてきた皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2022年11月30日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

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「愛子内親王は、宮中祭祀など皇室の伝統に関心をお持ちのご様子だ」

 宮内庁幹部のひとりは期待を込めるように、こう話したという。

 12月1日、愛子さまが21歳の誕生日を迎えた。

 学習院大学では、文学部日本語日本文学科3年に在籍する。

 コロナ禍が続く中、オンライン授業の選択は続いているようだ。

 愛子さまを幼い頃から知る学習院の関係者は、こう話す。

「大学自体に人が少ないこともあり、お見かけしたという話も聞きません。大学生活も残り1年と少し。キャンパスライフを楽しんでいただきたいのですが……」

21歳の誕生日を迎えた天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(宮内庁提供)
21歳の誕生日を迎えた天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(宮内庁提供)

 それでも21歳の誕生日には、皇居内の厩舎(きゅうしゃ)で馬と触れ合う愛子さまの姿が公開された。小さいころから動物好きの愛子さまが、両陛下と相談して場所を決めたという。うすいメイクに、長い髪を編み込みながらふんわりとカールさせて品よくアレンジした髪形。好感度のあるおしゃれを楽しんでいる様子が伝わってくる。白いセーターの上につけたペンダントは以前、お友だちからプレゼントされたものだという。

「ご友人がたと直に顔を合わせる機会はほとんどなくとも、友情にはげまされている、というメッセージかもしれませんね」(前出の関係者)

 愛子さまは、2年からは、「日本語日本文学系」を選択。日本語のルーツや文法など言語の基礎への学びとともに平安時代から昭和初期までの文学や紀行文を民俗学的な視点で読む授業などを受けている。3月の成年の会見では、『源氏物語』をはじめとする古典への関心を語っていた。

 また、歴代皇后の伝統行事である紅葉山御養蚕所での「養蚕」の作業に、愛子さまも今年、初めて加わった。

 初等科3年生の時に授業で蚕をもらってから、毎年卵を採って住まいで育てるほどの熱心さをみせる。

 冒頭の宮内庁関係者によれば、祭祀への関心も高いという。

 愛子さまの祭祀デビューは、20歳の誕生日から間もない昨年12月25日。皇居・宮中三殿で執り行われた「大正天皇例祭の儀」であった。皇后雅子さまは欠席だったが、白いロングコートと帽子を着用した愛子さまは落ち着いた所作で、女性皇族として最初に拝礼した。

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