3月21日の春分の日の宮中祭祀、そして神武天皇の命日とされる4月3日には、神武天皇祭の「皇霊殿の儀」にも参列した。12月と4月の祭祀に雅子さまは参列することができなかったが、母親をそっと支えるように祭祀や養蚕など皇室の伝統行事に参加している。
京都産業大学名誉教授の所功さんはこう話す。
「愛子さまは、天皇皇后と同居する唯一の内廷皇女。ご両親をもっとも身近で支えることができる重要な存在です」
実現できなかった成年の報告
残念なのは、コロナ禍もあり愛子さまが成年を迎えた報告の参拝が実現できなかったことだ。
成年や結婚の節目に迎えた皇族方は、報告するために大正天皇陵と昭和天皇陵などがある武蔵陵墓地と神武天皇陵、伊勢神宮に参拝するのが習わしだ。秋篠宮家の眞子さんや佳子さまも、それぞれ成年の報告で参拝をしている。
ただ、上皇ご夫妻の長女、黒田清子さん(当時の紀宮さま)の成年の際も昭和天皇の喪中であったため武蔵陵や伊勢神宮への参拝はかなわなかった。
愛子さまも成年の記者会見を3カ月遅れで行ったが、清子さんも21歳の誕生日に合わせて行っている。
「愛子さまは、天皇皇后であるご両親の背中を常々ご覧になっており、皇室や日本の伝統にも造詣が深い。愛子さまは皇位の継承者ではありません。しかし、令和のいまは皇族の数の減少がより深刻であり、聡明な内親王として知られた黒田清子さんより本格的な役割が期待されます。結婚後も愛子さまが皇族として皇室に留まり、ご両親の祭祀や公務を分担するようなご活躍を期待する声が高まりつつあると感じています」(所さん)
愛子さまは、来年の4月から大学4年生となる。
若き内親王として、愛子さまへの期待が高まっている。
(AERA dot.編集部・本誌取材班)