タイラー・ザ・クリエイターの『クロマコピア』が2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
先週1位に初登場した『クロマコピア』は、2週目の今週(2024年11月1日~11月7日)ストリーミングが115,500(27%減少)、セールスは44,500(69%減少)を記録して、累計160,000ユニット(47%減少)を獲得。週間ストリーミングは1億6,031万回を記録して、ストリーミング・チャートでも2週目の首位をキープした。セールス・チャートでは、先週の1位から2位にランクダウンしている。
タイラー・ザ・クリエイターの首位獲得アルバムは、『イゴール』(2019年)、『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』(2021年)に続く3作目で、そのうち2週をマークしたのは前作『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』に続く2作目、2週連続で首位を獲得したのは本作『クロマコピア』が初のタイトルとなる。
1stアルバム『ゴブリン』(2011年/最高5位)
2ndアルバム『ウルフ』(2013年/最高3位)
3rdアルバム『チェリー・ボム』(2015年/最高4位)
4thアルバム『フラワー・ボーイ』(2017年/最高2位)
5thアルバム『イゴール』(2019年/最高1位)
6thアルバム『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』(2021年/最高1位)
7thアルバム『クロマコピア』(2024年/最高1位)
なお、前作『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』は、2021年7月10日付で1位に初登場した後、アナログ盤のリリース効果で約9か月後の2022年4月30日付で2週目の首位を獲得している。
『クロマコピア』は10月17日にリリースが告知され、その約10日後の10月28日にリリースされた。先週の集計期間は10月25日から10月31日の7日間で、本作はわずか4日間の集計期間で1位に初登場した(アルバムは通常金曜日にリリースされ、7日間の集計期間がある)。よって、7日間の集計期間を経てランクインしたのは、今週が初めての週となる。
2週目の今週は、先週リリースされた各フィジカルに加えて、ボックスセットではない単体のCDと、2つの新しいボックスセットが公式サイトでリリースされたことにより高ポイントを維持した。
先週3位にランクダウンしたサブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』(68,000ユニット /9%減少)は、今週2位に再浮上。続いて3位には、米ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のラッパー=リル・ウージー・ヴァートの新作『エターナル・アテイク2』がデビューした。本作は、10月24日に告知された後、約1週間後の11月1日にリリースされている。
『エターナル・アテイク2』は、昨年7月にリリースした前作『ピンク・テープ』から約1年ぶり、4枚目のスタジオ・アルバムで、いずれも首位を獲得した1stアルバム『ラヴ・イズ・レイジ2』(2017年)、2ndアルバム『エターナル・アテイク』(2020年)、『ピンク・テープ』(2023年)に続く4作連続のTOP3入り、フューチャーとのコラボレーション・アルバム『Pluto x Baby Pluto』(2020年/最高2位)を含む通算5作目のTOP10入りを果たした。
『エターナル・アテイク2』の初動ユニットは59,000で、その内訳はストリーミングが56,000(7,643万回)、セールスは3,000だった。初週は、個々に異なるトレーディングカードを封入した5種類のCD、TシャツがセットになったボックスCDが1種類、通常版の計7種類のCDと、デジタル・ダウンロードがリリースされている。
今週は4位にも新作が初登場。ザ・キュアーの約16年ぶりとなるニュー・アルバム『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』が、約20年ぶりのTOP10入りを果たした。
『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』は、前作『4:13ドリーム』(2008年)から約16年ぶり、通算14作目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは2004年の『ザ・キュアー』(最高7位)以来20年ぶり、1992年に最高2位を記録した『ウィッシュ』を含む3作目のランクインとなる。
『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』は、初週セールスが53,000、ストリーミングは4,000(502万回)を記録して、累計57,000ユニットを獲得。週間ユニットはこれまでの最高値を更新し、週間セールスは前述の『ザ・キュアー』が初週で記録した91,000枚以来の売上を打ち出して、今週のセールス・チャートでは1位に初登場した。33年前に集計が始まったセールス・チャートでは、グループ初のNo,1タイトルとなる。
また、週間セールス53,000枚のうち23,000枚がアナログ盤による売上で、LPの週間セールスとしてもこれまでの最高売上枚数を更新している。フィジカルは、そのアナログ盤が5種類、CD、CD+ブルーレイオーディオ、2種類のカセットテープがリリースされていて、デジタル・ダウンロードは通常版とボーナストラックを5曲収録した公式サイト限定のデラックス盤がある。
『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』は、9月初旬に告知がほのめかされた後、9月26日に正式な発表がされ、約1か月後の11月1日にリリースされた。本作からは、約16年ぶりの新曲「アローン」がアルバムの発表日である9月26日に、10月9日には2曲目のリード・シングル「ア・フラジャイル・シング」がそれぞれリリースされた。
「ア・フラジャイル・シング」は、最新のオルタナティブ・エアプレイ・チャートで22位まで上昇し、同チャートでの最高位を更新。また、アダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートでは10位に上昇して、2004年に「ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」が19位を記録して以来の最高位を更新した。1996年に集計が始まったアダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートでは、これまで「ア・フラジャイル・シング」を含む3曲がランクインしていて、TOP10入りしたのは同曲が初のタイトルとなる。
先週7位に上昇したグレイシー・エイブラムスの『ザ・シークレット・オブ・アス』 (50,000ユニット /2%増加)は5位にランクアップして、6位には先週12位にランクインしていたチャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』が10月26日付以来のTOP10復帰している。本作は、11月2日にNBCの「サタデー・ナイト・ライブ」で「ピンク・ポニー・クラブ」と新曲「ザ・ギバー」を披露したことで各ポイントが上昇。週間ユニットは前週から5%増加の46,000を記録した。
ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(44,000ユニット /4%減少)は9位から7位に上昇して、ロッド・ウェーブの『ラスト・ラップ』(44,000ユニット /4%減少)は5位から8位にランクダウン。テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(43,000ユニット /2%減少)は先週の11位から9位にTOP10復帰して、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(43,000ユニット / 7%減少)は8位から10位に順位を下げた。
Text: 本家 一成
◎【Billboard 200】トップ10
1位『クロマコピア』タイラー・ザ・クリエイター
2位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
3位『エターナル・アテイク2』リル・ウージー・ヴァート
4位『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』ザ・キュアー
5位『ザ・シークレット・オブ・アス』グレイシー・エイブラムス
6位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
7位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
8位『ラスト・ラップ』ロッド・ウェーブ
9位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
10位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン