「渋谷はハロウィーンをお休みします」。そんな看板を掲げた東京都渋谷区とは対照的に、池袋がある豊島区はアニメやゲームの登場人物などに扮した「コスプレイヤー」たちのハロウィンイベントを後押ししてきた。
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以前は「変態」扱いされたことも
「やっとコスプレが市民権を得てきた。この文化が日本の宝として世界に広まってほしい」
そう語るのは、ティーポットとカップを手にした白髪のダンディーな男性、コスプレネーム「犬丸」さん(千葉県、46)。
犬丸さんが装ったのは「ジェントル・クリミナル」。漫画『僕のヒーローアカデミア』の敵キャラクターで、衣装もメイクも本物さながらに決まっている。
そんな犬丸さんの言葉にうなずくのは、ツインテールの赤い髪がトレードマークの相棒「ラブラバ」に扮した「ちゃーみん」さん(埼玉県)。
「ひと昔前は『オタクの街』といえば、秋葉原のイメージでしたが、池袋にシフトしてきた感じがします。特に女性が多いコスプレイヤーについてはそうです」(ちゃーみんさん)
10月25~27日に開催された「池袋ハロウィンコスプレフェス2024 Powered by dwango(通称・池ハロ)」は、2014年の初開催から11年目を迎えた。参加費を支払うと、決められたエリア内や商業施設でコスプレを楽しめる。
「私たちが若いころ、コスプレイヤーは『変態』とか『頭のおかしい人』という扱いでした。でも、今日はコスプレを愛する人がこんなに集まった。池袋という街は寛容で、一般の人から変な目で見られないのがとてもうれしい」
そう犬丸さんはしみじみと語った。
運営会社のドワンゴによると、毎年2万人以上のコスプレイヤーが参加する。今年は一般の人も含めて約16万人が訪れ、日本最大級のハロウィンイベントに育った。
岐阜県から夫婦で参加
「コスプレのまま街を歩けるのはとても新鮮で楽しい。日ごろの嫌なことも忘れられます」
そう打ち明けるのは、岐阜県から夫婦で参加した「石炭さん(33)」と「ぴかまる」さん(34)。
テレビアニメ「ポプテピピック」の「ポプ子」「ピピ美」に扮する2人は6年前、「ニコニコ超会議」(千葉市)のコスプレイベントで知り合い、結婚した。