東京ドームの前で、入場を待つNewJeansのファンたち=6月27日、東京都文京区

松田聖子の初のヒット曲

「青い珊瑚礁」は、1980年7月1日に発売された。44年前のちょうど今頃の季節に、テレビから流れ始めたことになる。そして松田聖子の初のヒット曲として、60.2万枚を記録としている。

 人気音楽評論家のスージー鈴木さんは、こう語る。

「『青い珊瑚礁』は、シングルとしては『裸足の季節』に続いて2枚目の曲で、オリコンチャートでは2位を獲得。前作は28.2万枚で12位なので、売れ行きとしてはいきなりジャンプアップした。

 1980年7月1日に発売され、9月15日付で2位になっているので、2カ月間かけて上り詰め、ゆっくり、じわじわとヒットしていったというのも特徴的です。

 オリコンでは2位でしたが、音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS)では1位を獲得しています。この曲が発売された、1980年の秋に山口百恵が引退しているので、思い返せばアイドルの世代交代の時期です」
 

 この曲がヒットした理由として、スージー鈴木氏がまず挙げるのが「イントロ」だ。

「駆け上がるようなイントロの気持ちよさ。のちに『SWEET MEMORIES』でレコード大賞の編曲賞を受賞する大村雅朗氏の編曲です。大村氏は、渡辺美里の『My Revolution』や大沢誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』などを手掛けていますが、『青い珊瑚礁』は初期の作品のひとつです」
 

 駆け上がるイントロに続く松田聖子の声も特徴的だという。

「冒頭の『あー私の』はいきなり非常に高い音で、高音の伸びが非常に素晴らしい。初期の松田聖子は、とにかく声量があった。作詞家・三浦徳子さんがかつてインタビューで『スタジオで彼女の歌を初めて聴いたとき、いくらでも声が出るんで驚きました。マイクなんかいらないくらい』と語っていました(1995年の『月刊カドカワ』7月号)。そんな初期のパワーボイスが満喫できる曲ですね。爆発的な声量で、ある種“ハードロック”(笑)な恐ろしい声です」

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「青い珊瑚礁」にあるうらやましさ