ブラジル政府は、今夏開催されるリオデジャネイロ・オリンピック パラリンピックにあわせて、日本国籍の旅行者に対して観光ビザ免除プログラムを実施する。このたび観光代表団として来日したブラジル観光公社国際市場開発マネージャーのブルーノ・ジョヴァンニ・ドス・ヘイス氏が明らかにした。
ビザ免除の適用期間は2016年6月1日から9月18日まで。ビザ免除は90日間有効のため、最大で今年12月18日までビザなしでブラジルに滞在できることになる。日本のほか、アメリカ、カナダ、オーストラリアがこのプログラムの対象国。
ドス・ヘイス氏は、ビザ免除プログラムの目的について、「オリンピック/パラリンピック期間に日本からは多くの訪問者が見込めるほか、滞在も長期になり、現地消費額にも期待がもてる」ためと説明した。ブラジル政府は、この措置の告知のために対象4カ国で400万レアル(約1億2000万円)を用意。日本では、航空会社と協力して成田空港での掲示をすすめるほか、各メディア、SNS、メルコスール観光局東京事務所を通じて認知を広めていく。また、日本のオリンピック/パラリンピック公式旅行会社のホームページ上でも告知していく方針だ。
2015年のブラジルへの日本人渡航者数は約7万人。ドス・ヘイス氏は「2016年は前年比20%増を見込んでいる」と明らかにした。FIFAワールドカップが行われた2014年は8万4,000人だったことから、2016年もその実績を目指す。
また、政情不安などで懸念されている治安については、「ブラジルは若い国。現在の政治状況は、将来に向けたステップのひとつで、オリンピックとは関係ない」とし、リオデジャネイロでは、治安を統括するオペレーションセンターが常にモニタリングしていることを強調。「これまでも、W杯をはじめ、ワールドユース大会、パンアメリカン大会など大規模な世界大会を成功裏に開催してきた」とこれまでの実績をアピールした。
今後の日本でのプロモーションとしては、5つ気候帯が広がるブラジルの多様性を訴求していく方針。ブラジルも参加するメルコスール観光局は旅行会社向けにワークショップなどを開催し、リオのカーニバルやイグアスの滝といった定番素材以外に、セアラー、ピアウイ、マラニョンの3州にまたがる感動ルートと呼ばれるコースなどを提案していく考えだ。