▼ 非正規修理のスマホを使うと利用者が電波法違反?

 スマホは電波を使った通信機器であるため、日本の電波法で定められた技術基準に適合しているかどうかの審査を必ず受ける必要がある。スマホのバッテリーを外したあたりに円形に郵便記号が書かれたようなマークのシールが貼られているはずだ。iPhoneなどではシールこそ貼られていないが、「法律に基づく情報」を見ると画面上に表示される。

 この円形に郵便記号のマークは、技術基準に適合していることを証明するものなので「技適マーク」と呼ばれる。技適マークは、端末を製造した業者に与えられており、それ以外の第三者が端末を“改造”すると無効になるとされる。

 主に電波の出力を増強させるような不正改造を防止するための措置だが、法律の解釈次第では、修理のために端末を分解しただけで、技適マークは無効となり、その時点で“違法端末”になるとの指摘もある。液晶を換えただけでも、法に違反した端末ということになりかねない。

 万が一、“違法端末”となった場合、その端末を使い続けている利用者には処罰が科せられるリスクがある。極端なケースでは、修理に出しただけで電波法違反に問われ、1年以下の懲役が科せられてしまうおそれもあるというのだ。

 ある非正規の修理事業者は「確かにグレーゾーンのなかでやっている」と打ち明ける。「だからといって、正規修理とほぼ変わらない部品を使って修理は適正に行っている」と続ける。

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