〈台風と防災〉警視庁災害対策課のSNSはフォロワー数98万人　“中の人”も試した「時計で方角を知る」「スプーンで缶切り」

　これまでの3261回（8月3日現在）のツイートのなかで最も反響が大きかった投稿は「10円玉で菓子袋を簡単に開ける方法」。災害時に避難所などで、ハサミがないときに使える便利技として紹介している。

　やり方は簡単で、袋の上部を硬貨2枚で挟み、硬貨をおさえたままいつも通り開けるというもの。この投稿には計25万近くの「いいね」とリツイートがついている。

　これに次ぐ歴代で2番目に反響が大きかった投稿は、一つのビニール袋で飲料が入ったコップを一度に二つ運ぶ方法を動画で紹介したもの。ビニール袋を真ん中でひねり、左右にできたスペースにコップを入れるというものだ。

　この投稿をした男性課員は、飲食店でテイクアウトをした際に「袋の下に敷く紙製のホルダーがなくてもコップを複数運ぶ方法があれば、避難所で汁物が配られたときに活用できるのでは」と思い付いたのだという。この投稿には、約16万の「いいね」とリツイートがついた。

　10年にわたってSNSでの発信を続けてきたなかで、山中警部は「大事なことであっても、ただ発信するだけでは読んでもらえない」と痛感してきたという。

「同じ内容を伝えるにしても、文面を工夫するなどして、どうやったら読んでもらえるかに頭をひねっています」