人気ラーメン店と客のマナーをめぐる騒動は後を絶たない。画像はイメージ(GettyImages)
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 先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2024年7月20日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。

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 都内の人気ラーメン店が公式ブログ上で、店のルールを守らない違反者に対して「損害賠償請求する」と明記したことが話題になっている。人気ラーメン店の客のマナーについてはたびたび問題になっているが、はたして店側が客に賠償請求するということは可能なのか。店側にメリットはあるのか。ラーメン好きの弁護士に見解を聞いた。

 公式ブログで訴訟をにおわせるルールを掲げたのは都内にある超人気ラーメン店。開店前から長い行列ができることで有名な店だ。

 同店は公式ブログ上で、「お願い」と題して7項目のルールを掲げた。

1.飲酒した状態で来ないでください、明らかに酔っぱらっている人にはラーメンを作りません。
2.半分のラーメンを一人で食べられないような小さな子供を連れてこないでください。
3.並び中、横にふくらまないようにしてください。歩道が狭くなり通行人からクレームが入ります。
4.自転車を〇〇〇〇様の敷地に停めないでください。(実際の記載は生命保険会社の企業名)
5.並び中も店内も大きな声で会話しないでください。
6.並び中、合流、割り込みは厳禁です。
7.店員や他のお客様に暴言を吐く、暴行を振るうなどの犯罪行為があった場合は即刻警察に通報します。

 そのうえで、「対処にかかった時間での想定売上、他のお客様への返金分など、すべて損害賠償請求します(原文ママ)」と明記した。

 人気ラーメン店が客のマナーに対してSNSなどで苦言を呈し、論議が巻き起こることはよくあるが、賠償請求するとまで踏み込んだケースは異例だ。果たして、実際に賠償請求は可能なのか。費用面を考えた場合、店側にメリットはあるのか。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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店側に費用面でのメリットはない