内ブタで断熱し、熱を道路に逃がさない。対策が進んでいる自治体も。

そんな悩ましいマンホールの穴ですが、道路に穴ができる原因は、フタからの熱です。そこで、フタの外に熱が逃げないように、内ブタで断熱する対策を進めている自治体もあります。この断熱用の内ブタは、路面に見えるフタの内側に、もう1つ、フタをするしくみで、特許をとったメーカーもあります。
山形市の上下水道部では、平成25~27年度、市内で日当たりが悪く、道路との段差ができやすい約7000カ所のマンホールに、内ブタを設置しています。また、旭川市や札幌市でも、内ブタの設置が進められています。
生活道路は一般車両以外にも、運送用のトラックや介護の送迎バス、緊急車両も通ります。1つでも多くのマンホールに断熱の内ブタをつけて、雪道の段差を少しでもなくしてほしいと願わずにはいられません。

断熱されないと道路に丸い穴が…。
断熱されないと道路に丸い穴が…。

フタの上でが暖をとることも…。

車通りの少ない生活道路では、晴れた日には、猫がマンホールの上で“香箱座り”をして、日なたぼっこをしていることがあります。マンホールのフタの上は、雪の上よりも暖かいのでしょう。また、黒っぽいマンホールは熱を吸収するので、暖かいのかもしれません。さらに、マンホールのくぼみは丸くて、ほどよくくぼんでいるので、まるで大きな“猫鍋”のごとく、居心地がいいのでしょうか。散歩中の猫が前足をしまって、ウトウトする姿を見かけることもあります。車で通行するときは、このくぼみは恐怖に感じますが、猫が日なたぼっこをしているときだけは、少しだけ許せる気がします。
路地にひそむマンホールの穴。車で通っていると、夜間や吹雪のときは、穴に気がつかないこともしばしばあります。心の準備がないままにドカッと穴に落ちたときの衝撃たるや…。北国の生活道路のマンホールすべてに、断熱作用のある内ブタがつけられる日はくるのでしょうか。本州以南はそろそろ春の気配を感じる季節になってきました。が、北国はまだまだ冬本番。雪や氷との戦いはこれからも続きます。観光で北国を訪れる方は、車に乗る場合、この“恐ろしい”マンホールの穴にぜひとも気をつけてください。

猫はマンホールが好き?
猫はマンホールが好き?
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