AERA 2024年8月5日号より

財産は「時価」で把握

 不動産は、所在地と面積を特定した上で「時価」を必ず把握しよう。相続を考える場合の土地の値段(相続税評価額)は「路線価」で決められる。全国の路線価は国税庁のホームページで調べられる。親が所有する土地が面する道路の路線価に面積をかければ評価額が出る。

「実際は土地の形状などでさまざまな補正が行われますが、まずはざっくりでいいので『路線価×面積』で構いません」(曽根さん)

 ほかの金融資産、有価証券や株式、保険についても金融機関ごとに情報を整理しよう。こちらも「時価」で計算しておくことがポイントだ。

 そして三つ目が「我が家の相続は相続税を払う対象になるのか」の判断である。

 表中の計算式を自分の場合にあてはめて基礎控除を算出。把握した財産の規模と基礎控除を比べればよい。遺産総額が基礎控除を超えると相続税の申告を行う必要がある。その場合は親の死後、10カ月以内に行わなければならない。

「現状把握」ができれば、親の財産の「特徴」もわかるだろう。(編集部・首藤由之)

AERA 2024年8月5日号より

AERA 2024年8月5日号より抜粋

著者プロフィールを見る
首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

首藤由之の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでおすすめ作品をチェック