たたずむほっぺくん。他の猫との折り合いはよくありませんでした

100匹もの猫たちをTNR

 沖縄のボランティアさんたちは100頭のたちを捕獲し、これ以上殖えないように不妊去勢手術を施し、元いた公園に戻して見守ることにしました。

 猫を捕獲し(Trap)、不妊手術を施し(Neuter)、元いた場所に戻す(Return)ことは、Trap、Neuter、Returnの頭文字から、TNR活動と呼ばれています。

 不妊手術を施した猫たちの耳には不妊手術済みの印としてカットが入れられ、V字にカットした耳の形状から、近年は「さくら耳」「さくらねこ」と呼ばれることもあります。

 この公園の約100頭の野良猫たちにも不妊去勢手術が施されました。100頭もの野良猫たちを捕まえて不妊手術を施すには、途方もない労力が必要だったはずです。

 その後も、ボランティアさんたちは、給餌や清掃などをしながら、猫たちが殖えないように、そして猫たちが一代限りの生を全うできるように猫たちを見守っていました。

消波ブロックのねぐらへ帰るほっぺくん

ほかの猫にいじめられて

 しかし、ボランティアさんたちのそんながんばりとは裏腹に、こういった野良猫の多い場所では心ない人たちによる猫の遺棄、すなわち捨て猫が後を絶ちません。猫を捨てることは当然動物遺棄罪という犯罪です。「猫がいるから、ここなら捨てて行っても大丈夫だろう」とでも考えるのでしょうか。

 ほっぺくんも100頭の野良猫たちのTNRを行った2年後に、この公園に捨てられました。とても人懐っこく、でも、ほかの猫とは群れることなく、ひとりテトラポットの中をねぐらに生きていました。

 ところが、名前の由来にもなるのですが、最近になって、ほっぺくんのほっぺたが膿んで、大きく腫れあがってきました。ケンカ傷が原因でした。もともと、ほっぺくんはほかの猫たちと折り合いが悪く、最近になってほっぺくんをいじめる猫が現れたことから、その猫とのケンカが原因ではないかと思います。沖縄のボランティアさんはほっぺくんを動物病院に連れていき、手術・治療を施しました。

おやつをもらうほっぺくん。ほっぺくんをいじめる猫が現れていました
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