航空局は「コメント控える」
牛草さんは、中間取りまとめの「管制官の人員増などの点では評価できる」とした一方、「海保機のパイロットなどが滑走路誤進入対策の取り組みに参加することが明記されていない」ことも問題視する。
航空安全会議が挙げた「見解」を、事故対策検討委員会はどう受け止めるのか。座長を務める早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学科の小松原明哲教授に取材を申し込んだところ、「座長立場となると、航空局の立場でのお答え」となるので、「辞退させていただきたい」と返事があった。
航空局は「見解文の詳細を承知しておりませんので、コメントを控えさせていただきます」とした。
重大な、痛ましい事故だった。
原因がまだ何も明らかになっていないなか、国主導で公表された「滑走路誤進入対策」に、現場から疑問の声が上がっているのだ。
「多額の国民負担を強いる、安易な対策が含まれています。時間をかけた冷静な議論が必要です」(牛草さん)
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)