学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
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小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は国内外での演奏だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、絶対音感を持つ廣津留さんに耳コピ演奏動画に込めた思いを聞いた。

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Q.  廣津留さんは絶対音感があるそうですね。いつ、どうやって身につけたのでしょうか?

A. 子どものころに音を聴き取る練習をたくさんして、音感が鍛えられたんだと思います。アメリカでは絶対音感は生まれつきのものだと考える人が多い印象でしたが、私は後天的なものだと思っていて、私自身もおそらく鍛えられて身についたんですよね。小さいころにバイオリンのほかにピアノも習っていて、先生がソルフェージュ(読譜や聴音など音楽の基礎能力を鍛えるための訓練)をしっかりやってくださったのが大きかったんじゃないかな。

 そのおかげか、昔から車が停まるときの砂利の音でうちの車だとわかったし、祖母の家の電話番号は固定電話のプッシュボタンの音で覚えていました(笑)。よくかける電話番号は自分の中でメロディー化されていましたね。今も掃除機と洗濯機の音が一緒に鳴ると不協和音に聞こえることもありますし、タクシーの振動が音として聞こえてしまうこともありますね。ただ、絶対音感を身につけたおかげで、楽譜がなくても音楽を耳で聴いて覚えてそのまま弾く、いわゆる“耳コピ”演奏ができるのはありがたいです。

Q. YouTubeやインスタにアップされているカバーシリーズが面白いです。コンビニの入店音、駅の発車音、家電量販店の音楽などをバイオリンで弾いていてユニークですが、どういうきっかけで始めたのですか?」

A. 私のPRを担当しているZ世代のスタッフとの雑談がきっかけです。バイオリンを聴くのはどうしても上の世代が多いので、もっと若い世代にも聴いてもらいたいなという話をしていたら、「こういうのどうですか」って。

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廣津留すみれ

廣津留すみれ

ひろつる・すみれ/バイオリニスト、国際教養大学特任准教授・成蹊大学客員准教授。1993年、大分市生まれ。2016年にハーバード大学(学士課程)、2018年にジュリアード音楽院(修士課程)を卒業。世界的チェリスト、ヨーヨー・マとの共演のほか、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの演奏・録音などを担当。情報番組にコメンテーターとして出演も。著書に『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(KADOKAWA)など。2022年にファーストCD「メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲+シャコンヌ」をリリース。ジュリアード音楽院の教授ジョセフ・リン氏の代演を務めたコンサートのライブ音源を収録している。

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