1990年代に一世を風靡したころの山口智子(1994年)

社会現象を巻き起こしたヒロイン

 芸能評論家の三杉武氏は全盛期の山口についてこう振り返る。

「山口さんは、モデルやキャンペーンガールをへて、1988年度後期のNHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』でヒロインを演じて女優デビューを果たしました。その後、90年代に数々のドラマに主演してヒットに導きます。社会現象を巻き起こした月9ドラマ『ロンバケ』はもちろんのこと、厳しい現実に打ちのめされそうになりながらも恋に仕事に懸命に取り組み、前向きに生きようとするアラサー女子を巧みに演じた『29歳のクリスマス』も、当時の女性たちから人気を集めてヒット作となりました。どちらの作品も明るく前向きでサバサバした、いかにも同性から高い支持を集めそうな役柄を好演していますが、その一方で『もう誰も愛さない』では純真な女性が男性から手ひどい裏切りに遭い、恋心を抱きながらも復讐(ふくしゅう)の鬼となり悪女と化していく様を見事に演じています。山口さんの演技の幅の広さを感じさせます」

 そんな山口だが、95年に唐沢と結婚し「ロンバケ」以降は主婦業に専念するため一時期、女優の仕事を縮小したこともある。一方、近年は「監察医 朝顔」(フジテレビ系、2019年放送)で23年ぶりに月9ドラマに出演し、昨年公開された映画「春に散る」では27年ぶりに実写映画にも出演を果たすなど、全盛期ほどではないが露出が増えている印象だ。

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いまだ自信のなさの塊