ご一家のなにげない日常が感じられる写真は珍しく、天皇陛下が自ら撮影した写真や、プライベート感あふれるショットを発信するところに、河西さんはいい意味で“吹っ切れた”と感じると言う。

「もちろん平成の時代も家族写真はあって、夏のご静養先で今の上皇皇后両陛下、天皇陛下、雅子さま愛子さま秋篠宮ご一家が浜辺を散策される写真などを報道で見たことがある方もいると思います。

 インスタグラムにアップされている静養先での写真は、これまでの家族写真の延長線上ではありますが、宮内庁の“戦略”ももちろんですが、天皇陛下ご本人も『ここまで出してもいいのではないか』というところを攻めていて、写真に動きがあり、どこか吹っ切れたなという印象すら感じます」

 

 また、タケノコ掘りの一連の写真では、ストーリー性も感じられると河西さんは指摘する。

 1枚目の写真には、収穫したタケノコと、シャベルを持つ天皇陛下と横でほほえむ雅子さま。2枚目には、スコップに足をかけ、笑顔でタケノコを掘る愛子さま。3枚目は「タケノコが抜けなーい!」という声が聞こえてきそうな愛子さまのしゃがんだ姿、という「流れ」があり、見ている人が楽しめる構成になっている。

 そして、そのように楽しめる写真である一方で、品格が保たれている。

「品格を保っているため、保守派の人たちからも批判の声は聞こえてきません。インスタグラムに投稿された公務などの写真は、宮内庁のサイトに掲載されているものと構図はほぼ同じですが、アップにしたり、明るくしたりと工夫とされていると思います」
 

英国晩餐会などの連続投稿

 天皇、皇后両陛下は6月22日から国賓として英国を訪問。河西さんは訪英中の投稿も注目していた。

 そもそもSNSの活用を検討するために、宮内庁が広報室を新設したのは2023年4月1日。それから1年たってからのインスタグラムの開設だっただけに、「タイムリーな投稿」には懐疑的だった。

 ところが、6月22日のイギリスへのご出発の様子から、積極的な投稿が続いた。

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貴重な晩餐会写真の数々