長男とのツーショット(事務所提供)

「この子は私と同じ感覚で生きてない」

 しかし、次第に自身の心との付き合い方がわかるようになり、感情的に叱ることもなくなってきたという。「自分と子どもは違う人間なんだって考えられるようになりました」と話す。そのことを強く意識させられたのは、長男が3歳のときに起こしたある出来事だったという。

「泳げないのに、浮輪もつけず、プールに飛び込んだんです。上半身ビショビショになりながら必死に引き上げたんですけど、そのときに『この子はどういう気持ちなんだろう』って考えて。それだけでも衝撃だったんですけど、1カ月後にまた同じことをやったんです。一度溺れかけているのに。そのときに『あっ、この子は私と同じ感覚で生きてない』って強く感じました」

 それから、子どもへの向き合い方を考え直したという。

「教え方をイチから変えないといけないと思ったんです。この子を育てるには、私の感覚だけに頼っていてはダメなんだなって。感情的に怒るんじゃなくて、たとえば、YouTubeの動画を使ってみたり、ときには一度失敗を経験させたりしながら、どういうことが起こってそれがどんなに大変なことかっていうのをしっかり教えないと息子には伝わらないんだなって。そうした出来事が何度もあるので、今では子どもたちの言動を少しずつ受け入れることができている気がします」

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