寒さがぐんと身にしみる季節になりました。
最近は、防寒用の肌着や軽くて温かいコートも豊富で、重たいセーターを着込むことも少なくなったように思います。
こうした防寒グッズを利用するのはもちろん、体のある部分を温めると、さらに体感温度がぐんとアップしていきます。
それは手首、足首、首の3つの「首」を温めること。とくに簡単かつ効果的、そのうえお洒落にもなるのが、マフラーを巻いて首を温めることです。
着ぶくれとはもうサヨウナラ。首を温めることで体全体が温まる、そのメカニズムを紹介します。
大量の血液が流れる首。首を温めれば全体が温まる
「首」は頭と体をつなぐ大事な部分。太い頸動脈が通っており、脳にたくさんの血液や酸素を送っています。
にもかかわらず、首の皮膚は薄くて、とてもデリケート。
そのうえ直接、外気にさらされていることが多く、とても緊張しやすい部位です。
また、首には大動脈だけでなく副交感神経も通っているので、冷えると肩こりや頭痛、目の疲れだけでなく自律神経系にも影響を及ぼすこともあるのですね。
首にとって寒さは大敵。首から体全体の不調に発展することも多いのです。
逆にいえば、首の動脈は太いうえに皮膚に近いところにあるため、ここを少し温めてあげると、効率よく大量の血液が温まり、温まった血液が体全体にめぐってくれるというわけ。
実際に、首の後ろを蒸しタオルなどで温めるだけで、頭や目の疲労がじんわり取れてくる効果を経験した方も多いのではないでしょうか。
スヌードやウールタイなど、バラエティ豊富なアイテム
首を温めて体感温度を上げていく──。この効果を手軽に実感できるのが、マフラーです。
マフラーを巻くだけで、体感温度が3℃〜4℃も上がるともいわれているのですね。
何といってもマフラーを取り入れるだけで、お洒落にみえるし、着ぶくれを防げるのもうれしいですよね。
少し大きめのマフラーを無造作にグルグルと巻くだけで格好がつくし、ファッションのポイントにもなってくれます。
最近は、大きな輪になっている「スヌーズ」というマフラーも人気です。
マフラーは暑苦しくてちょっと、という男性は、いつものネクタイをウールタイにかえてみてはいかがでしょう。
ウールタイとは、その名の通りウールで織られたネクタイのこと。
ふんわりした温かみある素材感は、着用した本人だけでなく、見た目にも温もりを感じさせてくれます。
身の回りにあるもので、室内の体感温度をアップ
マフラーやストールは、工夫次第で室内のお役立ちアイテムにもなります。
(財)省エネルギーセンターの調査「着衣の工夫と体感温度の違い」によると、上着を一枚羽織るだけで2.3℃、膝掛けをするだけで2.5℃も体感温度が上がるという報告があります。
少し室内が寒いときにマフラーやストールを、肩や膝に掛けたり、首に巻いたりすることは、家のなかで暖房費を浮かせる賢い節約術ともいえるのではないでしょうか。
ぜひこの冬は、「首」を温めて、できるだけ寒さとサヨナラしてくださいね。