浴衣の着付けを手伝うボランティアの人たちにも斎藤知事の怒声は聞こえていたという。

「斎藤知事の言動は、非礼もいいこところ。不快な思いをさせてしまい、申し訳ない思いでいっぱいでした」
 

着付け代は4400円

 竹内県議はこのゆかたまつりで斎藤知事にかかった費用について、情報公開請求し、県議会でも追及した。県が開示した資料によると、和装店に〈和装着付 夏物和服の着付〉として4400円が支払われていた。

情報公開で開示された浴衣の着付け代の明細

 また姫路ゆかたまつりの翌月、神戸市内の別の和装店が、斎藤知事の浴衣姿の写真をSNSに投稿していた。〈急遽、斎藤知事の着付けを承りました〉と説明が添えられている。「急遽」という言葉がいかにも、姫路ゆかたまつりと同様に突然の来店だったことを想像させる。

 斎藤知事が浴衣の着付けに、かなりこだわっているのがうかがえるが、着付け代はもちろん税金から支出されており、着用のたびのクリーニング代も同様だ。ちなみにクリーニングは1回あたり4400円だった。

 兵庫県に確認すると、斎藤知事の浴衣は昨年の姫路ゆかたまつりに合わせて播州織で有名な兵庫県西脇市の商工会議所が母体の「西脇TMO推進室」から提供を受けたという。

 兵庫県秘書課はこう説明する。

「イベントや行事で使っていた浴衣が、在庫として眠っていた。それをご提供いただけるということでお借りしています。地場産業の播州織のPRという観点もあります。昨年の姫路ゆかたまつりで斎藤知事が着付けで激怒したということはありません」

 また西脇TMOは浴衣の経緯についてこう語った。

「かつて七夕のお祭りを開催しており、播州織の浴衣はその際につくっていた。今は祭りがなくなり、浴衣は置いてあった。斎藤知事が西脇市にお見えになった際、姫路ゆかたまつりの話が出て、PRになるならと提供した。浴衣は斎藤知事がご自身で選ばれた。厳密に考えていなかったので、契約書のようなものはなく、貸したというか、プレゼントしたというか、なんとも言いようがない」

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