2023年の春の園遊会。この振袖は、オーストリア訪問時にもお召し=2023年5月、東京・元赤坂、JMPA
オーストリア訪問で大統領(右手前)と話す佳子さま。このときの振袖は2023年春の園遊会でもお召しになった=2019年9月、ウィーンの王宮にある大統領府

佳子さまや愛子さまが選ぶ服

「アデリー」のもう一つの特徴として、日本の職人による国内での製造にこだわっているところだ。振り返れば、天皇皇后両陛下の長女、愛子さまが昨年夏のご静養時にお召しだったアパレルブランド「kay me(ケイミー)」も、日本国内の服飾技術の継承に力をいれている会社だ。

 おふたりとももちろん、海外で生産してコストを抑えたファストファッションも愛用している。しかし、皇室が国内の技術を大切にするように、佳子さまは国際親善の場で日本製の既製服をお召しになったということだ。

 加えて、いまの既製服はかなり機能的に作られている。アデリーの担当者によると、服はワンサイズのみ。佳子さまが着用したと思われるワンピースは、ウエストの締めつけがなく、刺繍の入った上半身はチュール生地で着心地の良さに定評があるという。

「海外訪問では、スケジュールも分単位で組まれ、移動も長時間に及びます。上皇后さまや昔から既製服をよくお召しだった皇后雅子さまもフォーマルかつ機能的で体に負担の少ない装いを模索なさったように、皇族にとって負担のない装いは、大切です」(皇室と交流のある関係者)

 伝統と格式を守りつつも、令和の皇室には新しい風が吹いているようだ。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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