阪神・オリックスの優勝パレードのための寄付金の集め方の疑惑も「告発」された

 「告発文書」の中に、「優勝パレード」に関する項目がある。

 昨年のプロ野球阪神タイガースとオリックスバファローズという関西の球団がともにリーグ優勝。11月23日には大阪と兵庫で優勝パレードが開催された。
 その資金は大阪府、兵庫県ともに公費を投じないとして、クラウドファンディングと企業協賛で5億円を目標に集められた。しかし、クラウドファンディングでは1億円程度しか集まらず、残りは協賛企業の協賛金で実現にこぎつけた。

 「告発文書」には、こう記されている。

〈信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。幹事社はA信用金庫。その他、Bバスなどからも便宜供与の見返りとして寄附集めをした。パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整で持たず、現在病気療養中〉(一部編集部で改変)

 AERA dot.はパレードの〈協賛企業一覧〉という資料を入手した。そこでは、A信用金庫、Bバスとも「シルバー」のランクでスポンサーに名を連ねている。

 ある県幹部は、「告発文書」を読んだと言い、こう話す。

「パレードの協賛企業は大阪府と兵庫県、それぞれが分担して集めた。大阪府の動きが早く、経済規模の違いもあって、兵庫県より先行してスポンサーを集めていた。斎藤知事から『大阪に負けるな』という趣旨の話があって、職員は必死で声をかけた。告発にあるキックバックの有無まではわからないが、兵庫県側は地元の金融機関、交通など、県と結びつきが強い協賛企業が多く名前を連ねたのは事実。パレードの担当職員が病気療養しているのも事実だ」

 「告発文書」の中には、「政治資金パーティ関係」と書かれた項目もある。

〈齋藤知事の政治資金パーティ実施に際して、県下の商工会議所、商工会に対して経営指導員の定数削減(県からの補助金カット)を仄(ほの)めかせて圧力をかけ、パー券を大量購入させた〉

 前出の県幹部は、「信ぴょう性はあると思う」と言う。

「商工会議所関係に、パーティーに出席せよという指示が出たのは本当。裏になにかないと、そんな指示は出ません。私は直接、『パーティーに出ないと補助金でいろいろあって』と聞きました」

次のページ
今後の追及の舞台は…