現在マドンナが世界各地で開催しているツアーは“セレブレーション”(祝祭)であることを意図しているが、現地時間2024年4月9日の公演で彼女は米史上最悪の銃乱射事件についての真剣な会話をファンと交わした。
フロリダ州マイアミでの最終公演でマドンナは、2016年に同州オーランドのナイトクラブ、パルスで起きた、米史上2番目に死者が多かった銃乱射事件の犠牲者に敬意を表し、感動的なスピーチを行った。ファンが撮影した動画によると、彼女は厳粛に、「私たち全員がそれほど幸運ではなかったことを思い出してほしい」と聴衆に向かって語り、「あの瞬間に目を向けてほしいんです。なぜならナイトクラブや音楽、ダンスは私たちを結びつけるものだから。悲しみや悲劇、殺人、死、痛み、苦しみ、トラウマをもたらすような場所やものであってはなりません」と続けた。
マドンナは、事件で犠牲になった49人に敬意を表すると共に、LGBTQ+コミュニティーへの支持も表明し、「私はいつまでもゲイの人々に味方します。ゲイの人々が以前からずっと私の味方でいてくれるからです」と述べた。
そして彼女は、「あれは9.11に次ぐアメリカ最大のテロ攻撃でした。人々が集まり、愛に満ちた開放的なクラブで踊っていました。その日はラテン・ナイトで、人々がラテン音楽に合わせて踊っていたら、どこぞのマザーファッカーが銃を2丁持って入ってきて人を狙って撃ち始めた」と語った。
マドンナはさらに、その夜のショーに生存者とその家族、そして生き延びられなかった人々の家族を招待したことを話し、彼らの名前を何人か呼び、出席してくれたことに感謝した。スピーチの途中、感情が込み上げてきた彼女の声はかすれた。「私はダンス・ミュージックを作っています。私の仕事は、人々を結びつけること、人々を踊らせること、人々を幸せにすること、人々を非難しないことです。こんなことが起こってはならないんです。忘れないでください」と彼女は述べた。
マドンナが【セレブレーション・ツアー】で犠牲者や英雄を称えたのはこれが初めてではない。彼女のツアーが1月に米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンに立ち寄った際、1980年代のエイズ/HIV流行の絶頂期に患者を治療し、擁護した二人のニューヨークの看護師、エレン・マッツァーとヴァレリー・ヒューズの話を共有した。