泣くとスッキリするらしい。
お医者さんによっては、「笑うのと同じ効果がある」と、言っている。
たしかに、私自身も泣くとスッキリする。
そして、泣いた後は、意外にケロリとごきげんになれる時もある。
人生の中でいちばん泣いたのは、初めて告白してふられた時かもしれない。
学生時代、何年も片思いだった男性に「ずっと好きだった」と、必死で言葉にしたのに、返ってきた言葉は、「友達としか考えられない」だった。
ひとりで、車の中でめちゃめちゃ泣いた。あんなに泣いたはずなのに、今となっては、ステキな思い出。
祖母が亡くなった時も父が亡くなった時もあんなに泣いていない。
もちろん、他にも何度も泣いたことはある。
仕事が思うように出来ず自分に悔しかった時、仕事で仲間に裏切られた時など、いっぱいある。
とはいえ、学生時代の失恋ほど泣いてないのは事実。
わたしの友人のクリエイターの男性が言った。
「年とともに大泣きができなくなった」
彼は、泣きたくて映画を観に行くらしい。
「どの映画を観るか」考える時に、「どの映画が泣けるか」で、考えるらしい。
彼が言うには、
「自分の心が震えないのに、人の心を震えさせるものが作れるはずない」
確かにその通り。
わたしだって同じ。
人に感動してもらいたい。人の感動を創りたい。
いつもそう思っている。
なのに、自分自身がかつてほど泣けなくなっている。