28日放送、小芝風花主演、亀梨和也共演のドラマ「大奥」(フジテレビ・毎週木曜午後10時)が最終回を迎える。最終回とともに、プロデューサーが語ったドラマ秘話を過去の記事で振り返る。(「AERA dot.」2024年1月19日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)
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昨年、NHKのドラマやNetflixのアニメで大きな注目を集めた「大奥」の世界。今年1月18日からは、ついに“本家本元”であるフジテレビが、連続ドラマとしては約20年ぶりに「大奥」を放送する(毎週木曜午後10時~)。企画したプロデューサーの安永英樹さん(47)は、この時代に大奥をドラマ化することの意味は「人間の原点を描くこと」だと話す。女の“ドロドロ”だけではない令和版「大奥」の奥深さについて語ってもらった。
――ドラマ「大奥」の企画を立ち上げた経緯は?
動きはじめたのは、2022年の夏です。僕は歴史が好きなんですけど、あるとき別のプロデューサーと雑談をしていたら、「大奥とかやればいいじゃないですか」ってそそのかされて(笑)。じゃあいっちょ書いてみるかと、11話分のプロットのタタキをバーッと仕上げました。
今回舞台にした田沼(意次)時代は、前々から、大奥で描いたら面白そうだなと思っていたんです。徳川家治という将軍は意外と愛妻家で、でもお父さんはろくでもない人で、お母さんは小さいころに亡くなっていて、複雑な家庭環境で育った。そんな家治に嫁いだ五十宮倫子も、家治の側室が男の子を産むなど立場が逆転するようなことが起きたりして。これは面白いドラマの題材になると思いました。
――企画は社内でスムーズに通ったのでしょうか?
「今さら時代劇かよ」みたいな声もあったんですけど、頼むからやらせてくれ!とゴリ押ししたら、最後は「そんなにやりたいならいいよ」みたいな(笑)。
日本だと、歴史ものとなると、どうしても「時代劇」という名前がついて、おじさんのものと思われがちですよね。でも海外では(エリザベス2世の姿を描いた)Netflixシリーズの「ザ・クラウン」とか、歴史ものがけっこうあるし、当たっている。この「大奥」は、最初、日本版の「ザ・クラウン」みたいな形で描けないかなと思って企画したんです。間口を狭くせず、幅広い世代の人に見てもらいたいなと。