日本銀行の動きがニュースになっていますね。19日の金融政策決定会合で、マイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げを決めました。最近の日銀の動きの中で、頻繁に話題にあがるのが「円安」。20日は外国為替市場で1ドル=151円になるなど、より円安が進みました。この円安、そしてその反対である円高ですが、単語としては聞いたことがあるけど、実はあまり内容を理解できていない人も多いのではないでしょうか。
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「日銀がマイナス金利を解除、17年ぶり利上げ 異次元緩和から大転換」(3月19日、朝日新聞)
「日本銀行は19日の金融政策決定会合で、11年にわたる大規模な金融緩和策を終えると決めた。マイナス金利を解除して17年ぶりの利上げに踏み切り、長期金利を低く抑え込む枠組みも撤廃する。手段、規模とも異次元の領域に踏み込んでいた日銀の金融政策は、大きな転換点を迎えた。」
「日本株は「禁じ手」が支えてきた 日銀が変わる時、問われる真の実力」(2月26日、朝日新聞)
「日経平均株価を約34年ぶりの史上最高値更新まで押し上げたのは、海外投資家だけではない。影の立役者が、「異次元緩和」で株式の買い入れを急増させてきた日本銀行だ。緩和は歴史的な円安につながり、企業業績を改善させたり、日本株の割安感を際立たせたりする形でも、株価をつり上げてきた。ただ、その緩和も岐路を迎えつつある」
そもそも「円安」「円高」とは?
まずは最近話題の円安。
たとえば1ドル=100円のとき、1ドルのものを買いたいとなったら、100円があれば購入できます。
しかし、このドルと円の金額に動きがあり、1ドル=200円になったとしたら、1ドルのものを買うためには200円が必要になります。1ドル=100円の時の2倍のお金が必要となるということです。
つまり、ドルの価値が上がり、円の価値が下がった。これが「円安」の状態です。
今は円安の状態ですから、海外の人からすると少ないドルで円の商品を買える。日本から海外に商品を輸出している企業にとっては商品を買ってもらいやすく、円安の恩恵が大きいと言えるでしょう。
円高というのは、その逆です。
1ドル=50円となったとしたら、1ドル=100円のときの半分のお金で1ドルのものを購入できるということです。より少ない日本円で、多くのドルを手に入れることができる。
つまり、円の価値が上がって、ドルの価値が下がっている。これが「円高」の状態です。
過去に最も円高だったのは2011年で、1ドル=75円でした。それが今は約150円。それだけ私たちの暮らしにも変化があったということです。
私たちの暮らしにはどんな影響がある?
円高と円安を最も実感しやすいのは、海外へ行ったときでしょう。
円高の時は、少ない円で多くのドルに両替することができます。海外で安くで買い物や飲食ができるので、お得に感じられるでしょう。
一方で円安の今は、ドルに両替するのにたくさんの円が必要です。今、海外に行くと、かなり物価が高いと感じるはず。
逆に海外の人からすると、日本はお得に旅行ができる場所と言えます。新型コロナが落ち着いた今、インバウンド消費が復活しているのは、そのような理由です。
マイナス金利が解除され、その影響は今後、どんどん出てくるでしょう。円とドルの動きがどう変化していくのか、ぜひ引き続き追いかけてみてください。