イラスト/さとうただし

 コンビニ店数の約3倍近い数、約16万基もの古墳が国内に存在するのをご存じだろうか。日本が誇る古墳文化の楽しみ方を、その種類から造営方法まで、古墳見学を楽しむハウツーを5回にわたって伝授する。第1回は「古墳ができるまで」。

【徹底解剖】古墳の作り方の14プロセス

世界的にも特異な形状と規模
土製建造物の技術の到達点

 エジプト・ギザのピラミッドや中国の始皇帝陵とよく比較される古代権力者の墓が日本最大の古墳・大山(仁徳陵)古墳である。

 墳長は486mで、航空写真で見て初めて鍵穴のような形の全体像を見ることができる巨大さだ。
この大山古墳は、巨大古墳が相次いで築かれた古墳時代中期前半の築造だが、古墳時代初期でも墳長280mもの巨大な箸墓古墳が築造されていた。

 いったい、これほどに大規模な埋葬施設はなぜ築かれたのか。そもそも古代人はいかにして、この途方もない大きさの古墳を築き上げたのか。

 それは文献にはいっさい記されていないが、調査成果や出土品などからおおよそ推定できる。
何事もそうだが、古墳の築造も、まず建設地を決めることから始まる。
冒頭に挙げた大山古墳は、堺の港付近の台地端部に造られているが、これは海から来る人々に、その威容を見せつけるためであった。

 場所が決まれば、地面に杭や縄で測量し設計図を描いた。広大な古墳築造には木の伐採もかなり多く行われただろう。

 それが終わると、次に土を掘って墳丘の土台などから土を盛り上げていく。土を固め石室を造ればほぼ完成だ。ただ、まさに言うは易し、その完成には小さいものでも数年、長大な前方後円墳なら数十年かかったとみられる。

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古墳ができるまでを徹底解説!