オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の遺骨などについて次女が国に引き渡しを求めていた訴訟で、東京地裁は13日、次女に遺骨を引き渡すよう国に命じる判決を言い渡した。
当日、記者が東京地裁に向かうと傍聴の抽選に並んでいたのは25人のみ。傍聴席は23人分あったので、抽選に外れることなくすんなりと入ることができた。
3月20日で地下鉄サリン事件から29年になる。傍聴希望者の少なさからは、事件の風化を感じざるを得なかった。
裁判は、小池あゆみ裁判長が「被告(国)は原告(次女)に対し、(遺骨を)引き渡すように」と判決の主文を言い渡しあっさりと終わった。
閉廷後、次女側の代理人にコメントを求めると、「この件についてはお話しできることがない」とだけ言って去って行った。
この遺骨問題を取材しているジャーナリストはこう話す。
「次女への遺骨の引き渡し判決が出ましたが、事態はすぐには動かないと思います。国側が控訴する可能性も高く、そうなるとまだ長引くことも考えられます」